【東京新発見】「江戸東京たてもの園」の復元度がスゴい(ニッポン見聞録)

江戸東京たてもの園

こんにちは。海外在住ライター集団「海外書き人クラブ」お世話係の柳沢有紀夫です。

シリーズ【ニッポン見聞録】。今回取り上げるのは、東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」です。

この「江戸東京たてもの園」はどういうところか? 名称からなんとなくわかると思いますが、江戸時代から昭和初期の建物約30棟を移築復元した「屋外博物館」です。「江戸東京たてもの園友の会会員」の近井朋人さんによると、「足を一歩踏み入れるだけで、一気に時代をさかのぼれるスポット」とのこと。

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建物以外のもの(「都電」とか)もあり、また建物の内部に入ってみることができる当時の様子の再現率が半端ではないのですが、それはまた後で詳しく語るとして、まずはその所在地です。

最寄りの駅はJR中央線の「武蔵小金井」駅と、西武新宿線の「花小金井」駅。いずれも駅前からバスに5分揺られたあと、徒歩3~5分で「江戸東京たてもの園」に到着です。

武蔵小金井は新宿から中央線快速で約25分。西武新宿から花小金井は、西武新宿線急行の約23分。バスの乗り換え時間があったとしても、新宿から40分のところに、こんなに広大な敷地につくられたすごい施設があるなんてビックリです。

さて、ではいよいよこの「江戸東京たてもの園」の魅力について。画像と解説で伝えてくれるのはさきほども紹介した「江戸東京たてもの園友の会会員」の近井朋人さんです。

東側は「東京」、西側は「江戸」を感じさせるよう設計されているこの施設。まずは「東ゾーン」から見て行きましょう。

 

1 東ゾーン(「東京」エリア)

江戸東京たてもの園

東ゾーンにある都電(トラム)。

そうなんです。建物だけでなくこういうものも設置。当時の生活ぶりを再現しています。

 

 

江戸東京たてもの園

日常雑貨を扱う「荒物屋」。書き割りのように、建物正面のみ洋風になっている(建築史家の藤森照信によって「看板建築」と名づけられた)。

 

江戸東京たてもの園

「荒物屋」の内部。

建物の内部に入れること、その内部も当時の様子を再現していることも「江戸東京たてもの園」の魅力です。

 

江戸東京たてもの園

「荒物屋」の内部。

 

江戸東京たてもの園

「武居三省堂」という文具店。主に扱っていたのは、筆や墨。

今にも奥から「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか」なんて店主が出てきそうな雰囲気ですね。と思っていたら実際に……。

 

江戸東京たてもの園

土日などには、実際の職人が腕をふるうのを見ることができる。写真は、表具師(昔の日本の内装部分の飾りを作った職人)。

こんな実演があるのも魅力です。

 

江戸東京たてもの園

今はめっきり数の減った銭湯。内装などは昭和30年前後のもの。

「貴重品は必ず番台へ」。当時はカギのついたロッカーなんてなくて籠だったからでしょうね。

 

江戸東京たてもの園

昔ながらの酒屋。カウンターでは肴を出し、立ち飲み(テイスティング?)する人も多かった。

「キッコーマン醤油」の看板が見られるのは、酒屋さんで醤油を打っていた名残でしょうか。そういえば昔、お米屋さんで売られていた「プラッシー」というオレンジ果汁飲料が妙においしかったなあ。

そんな風に自分が幼かったころのことを自然と思い出すのも、「江戸東京たてもの園」の魅力の一つなのかもしれません。

 

江戸東京たてもの園

洋風建築で作られた写真館。昭和12年に建てられた。

 

江戸東京たてもの園

フランスの有名建築家、ル・コルビジュエに学んだ前川國男の自宅兼仕事場。

 

2 西ゾーン(「江戸」エリア)

続いてさらに歴史をさかのぼり、「江戸」を感じさせる西ゾーンを見て行きましょう。

江戸東京たてもの園

西ゾーンにある江戸時代の農家の家の中でも、格式が高い吉野家。中年以上にとっては、懐かしい田舎の家という趣き。

藁ぶきの屋根を見ていると、気持ちが落ち着きます。ガキンチョのころは「ボロい」と感じていたのに。歳をとるのもいいものです。

 

江戸東京たてもの園

ボランティアの活動で、生け花が飾られたりすることもある。

博物館っていうと「もう使わなくなったものの安置所」というイメージがありますが、こういうひと工夫で急に生き生きとしてきます。「生きている博物館」といった感じがしますね。

 

江戸東京たてもの園

雑穀を干した軒先。梅干しを作ったり、東京の伝統野菜を育てたり、当時の暮らしを園内で再現することも行われている。

この当時の暮らしぶりを再現しているのも「生きている博物館」と感じられる理由の一つです。

 

江戸東京たてもの園

囲炉裏に定期的に火を入れるようにしている。「暮らし」がない建物は、すぐに傷んでしまうので、建物保存の面からもさまざまなことが行われている。

「暮らしがない建物はすぐに傷む」。なるほど、建物も生き物なんですね。

決して派手さはないですが、これも当時の様子を再現した「ライブパフォーマンス」ですね。

ちょっとお邪魔してゴロリとしたいです。

 

江戸東京たてもの園

セットと異なり、実際に移築したものなので、石灯籠のディティールなども、一つ一つ異なっていて面白い。

 

江戸東京たてもの園

「旧自証院霊屋」は、江戸時代、徳川家光の側室であった「お振の方」を供養するための霊屋。日によっては、内部を公開していることもある。

単に建物を移設しているだけではなく、背後の森やまわりの植木も雰囲気に合わせている。この霊屋だけでなく他の建物もそんな感じ。そういう丁寧な仕事だから、当時にタイムスリップしたような臨場感がグッと増すのでしょうね。

まさに「いい仕事してますね~」です。

 

江戸東京たてもの園

夏と秋には、夜間でも公開する日がある。その日は、屋台が出たり演奏会が行われたりと、お祭りのようになる。

「六義園」のような庭園の夜間公開同様に、雰囲気があります。

 

江戸東京たてもの園

夜間公開では、昼間とはまたひと味違った幻想的な雰囲気を味わえる。

どれってことはないですが、宮崎映画を思い出します。

以上、写真を中心にした「江戸東京たてもの園」の紹介でした。みなさんもぜひ訪れてみてください。

写真の提供と解説をしてくださった近井朋人さんによると、「じつはすでに一部の外国人には大人気となっています」とのこと。どいういう人たちかというと、「日本のトラディショナルな服が好きな人たち、つまり、コスプレイヤーの方々」だそうです。さすがに本格的なコスプレはあまりいないそうですが、レンタルした浴衣を着て、園内で撮影している外国の方をよく見かけるとのこと。

古き良き日本にタイムスリップするというのも、なかなか「粋」なものですね。

江戸東京たてもの園

 

関連記事「発表! 外国人にも勧めたい日本の美術館・博物館ベスト11」も、ぜひご覧ください。

【解説および写真提供・近井朋人(江戸東京たてもの園友の会 会員)】

【文・柳沢有紀夫】

 

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)




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