あまりに自由すぎ!オランダの大学オーケストラの日本と真逆の世界々

私は音大生ではないのですが、日本でもアマチュアオーケストラに参加していたこともあり、オランダ留学中に学生オーケストラに参加しています。ヨーロッパのオーケストラというとさぞかし「きちんとしている」と思われそうですが、じつは真逆! 

練習中に突然靴脱ぎ始める人はいるは、コーラを飲む人はいるはと、日本の感覚とは異なることばかりです!

海外書き人クラブ会員長谷川理彩がお届けします。

私が通っていた大学のオーケストラには半分くらい音大生もいて、「オランダの学生オーケストラの中では一番レベル高い」と言われております!

実際参加してみるとレベル高く、音楽にパッションを持っている人が多くて楽しいです。

普段は週に1回、平日の夜に4時間ほど大学の敷地内で行います。下の写真がその練習場。

途中30分の休憩もあるのですが、その間はみんなでおしゃべりしたり、お茶飲んだり。年齢も皆それぞれで、18歳の子もいれば30代の人も! 卒業してからも引き続き参加できるっていいですよね。

指揮者は厳しく指導してくれて、勉強になります。周りの雰囲気も真面目なのかなと思いきや……。

演奏中に靴を脱ぎ始めたり、

コーラの缶を開けて飲み始めたり、

ハリボーグミの袋を回し始めたり(しかも足で蹴りながら…)。

日本のアマチュアオーケストラと雰囲気が違い過ぎてびっくりしてしまいました!周りの子はこれが普通みたいで、何もなかったかのように過ごしていて、面白いなあ〜と。

下記は大学で開催したミニコンサートの準備の様子です。

半年に1度合宿があるのですが、オランダの田舎の方にみんなで行き週末を過ごします。

合宿所の周りは紅葉がとても綺麗でした。合宿所には体育館、食堂、寝る部屋があり、結構広かったです。

こちらは合宿所のダイニングスペース。

寝床は二段ベッドがたくさん並ぶドミトリー。それはいいにしても部屋割りとかも特に事前に指定されておらず、みんな各自自分が寝たいところに名前を書く感じなのですが、またびっくりなのが、男女で分けられていないところ。

女子部屋、男子部屋というものはなく、みんな一緒になりたい人たちをグループ組んで、部屋を共有する感じ。

多様性を重視してあえてこうしているのか、ただ面倒くさいからなのかわからないのですが、これがオランダでは普通なのかな〜と考えていました。

そしてさらに驚いたのが、シャワーもトイレも全部男女共有。もちろん抵抗ある人もいるだろうけど、これがデフォルトって面白いなあ。

後から友達に「これって普通なの?」って聞いたら、オーケストラ界隈ではよくあることらしいです。でも別にオランダで普通ということではないとのこと。

ビュッフェスタイルの夕食にはフライドポテトがでてきたのですが、その量が異常でまたびっくり!!

大きなケースにたくさんのポテト、しかも2~3箱ありました! オランダではポテトをたくさん食べると聞いておりましたが、この量は流石にびっくりしました。

でも日本の給食での白米の量を考えれば妥当なのかしら。そんなことを考えながらみんなと一緒にいただきました。

夜は飲み会のような、仮装パーティが開催されました。事前にバイオリンは〇〇、チェロは〇〇などとテーマが決まっており、それに沿って衣装を自分で準備してくるのですが、

我々のテーマは2000年代、ということで、Britney Spears と Justin Timberlakeのオールジーンズファッションを真似することにしました。トップスもボトムスもジーンズで揃えて、メイクを2000年代っぽく、色濃いめで。

みんなでトイレで化粧したり、準備したりするのが、海外ドラマの一コマのようで楽しかったです。

そしてパーティでは、それぞれがファッションショーのように、机の上を歩いて衣装を披露。

ちょっと恥ずかしかったですが、思い切って楽しみました。みんなの衣装も気合入っていて凄かったです。普段はおとなしそうにしている人でも、パーティになると別人になっていて、みんなとより仲良くなれた気がしました!

合宿は次の日も朝から練習。みんな二日酔いのなかよく頑張りました!(笑)

日本のサークルの合宿と比べてみると、似ているところや全く異なるところもあって、たくさんの発見がありました〜。こうやって共通の趣味で繋がれて、コミュニティがあるということ自体、幸せなことですね。

1月にはほぼ毎年、コンセルトヘボウで演奏する機会をもらえているようです。

コンセルトヘボウといえば、ヨーロッパの3大オーケストラのホール。よく聴きに行くことはありましたが、まさかここで演奏できるとは思っていませんでした。

まず到着したら、楽屋入り口から入ります。

昔の演奏会のポスターが廊下や食堂に並べてあって、このような方と同じ舞台で演奏できるんだ〜!とワクワクしました。

控え室は思ったより狭く、荷物と人で結構バタバタしておりました。

ここでもびっくりなのが、男女別の控室ではなく、みんな気にしない人は、堂々と着替えているところ。

もちろん抵抗ある人はトイレに行って着替えることができ、私の周りの友達はみんなトイレに行って着替えていた気がします。控え室の意味は……と突っ込みたくなりましたが、(笑)これもこっちの文化なのかなと思い、リスペクトすることにしました。

舞台に上がって、本番前のリハーサルを行いました。舞台上から見える観客席は、普段見る景色とは違って、意外とホールが小さく感じました。

リハーサルを終えて、ご飯食べているとき(開演30分前)に、コンミスから、「知っているかもしれないけど、今風邪ひいていて熱あって、演奏するけどいつもほどザッツ出せないからみんなそれぞれ頑張ってリードしてね」って連絡がきて、マーラー九番という大曲を熱ありながら演奏、しかもソロあるのに大丈夫?って不安になりました。でも動揺している時間も緊張する時間もなく、本番の時間はすぐにやってきて舞台へ。

演奏会は無事終わりました!

でもまたオランダあるあるなのかもしれないのですが、楽章の間に拍手する傾向がありまして、今回も1楽章の終わりに拍手が鳴り始めて、ムードが台無しに……。

日本やドイツではあり得ないと思うのですが、オランダではよくあることみたいで、演奏する側としては集中力切れちゃうし、流れが切れてしまうので、楽章が終わるごとに、拍手しないで~と願っていました。(笑)

学科の友達や昔からの友達もみんな聴きにきてくれて、とても嬉しかったです。

こうやって新しい場所で1人で生活して、オーケストラの演奏会に来てくれる友達がこんなにいて、恵まれているなと感じました。

このような素敵なホールで貴重な体験をさせていただいて、一生に残る思い出になりました!

(文・写真 長谷川理彩)

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