フェリーで通勤!? 豪州ブリスベンのちょっと変わった「市民の足」

2032年夏季オリンピック開催予定地として、今密かに注目が集まっている都市・ブリスベン。オーストラリアではシドニーやメルボルンに次ぐ第3の都市であり、クイーンズランド州の州都でもありますが、日本ではあまり馴染みがないのではないでしょうか。

今回はわたくし辰己星空が、年間のべ288万人のブリスベン市民を川の向こう岸まで運んでいるフェリー「シティーキャット」の魅力を解説します。

続きを読む: フェリーで通勤!? 豪州ブリスベンのちょっと変わった「市民の足」

ブリスベンには全長約344㎞、幅数百mの巨大な川、その名も「ブリスベン川」が、蛇行する様に横たわっています。例えるならば、日本一の長さを誇る「信濃川」が全長約367㎞なので、大体そのくらいの規模感をイメージして頂ければと思います。これだけの長さなので、当然橋も架かっていますが、その数はたったの15本です。単純計算ですが、344㎞を15本で割ると約23㎞なので、橋と橋の間隔がハーフマラソン並みに空いてしまっていることが分かるかと思います。

これらの地理的要因から、ブリスベンでは公共交通機関としてフェリー「シティーキャット」を運航しています。

料金は現在一律で50オーストラリアセント(約55円)です。乗船方法は下記の通りです。

  • まず乗船する前に、オーストラリアの交通系ICカード「ゴーカード」を用意します。筆者は最寄りの駅窓口で購入しましたが、コンビニなどでも購入出来るそうです。また、銀行口座を開設して、スマホでタッチ決済出来るようにしておくという方法もあります。
  • 乗船時にタップします。どこから乗って、どこで降りても料金は

変わりませんが、タップし忘れると後で罰金5ドルを徴収されます(筆者の経験談)。

  • 座席に着きます。船内はガラス張りなので十分に景色を楽しめま

すが、甲板に立って、風を感じるのもおススメです。ただ、かなりのスピードで進むので、所持品を吹き飛ばされないように注意して下さい。

  • 下船時にもう一度タップします。タップし忘れると……以下同文。

古今東西文明は川の周辺で栄えると言われておりますが、ブリスベン川沿いにも名所は盛り沢山です。以下にいくつか例を挙げます。

  • South Bank

South Bank周辺には、ブリスベンの観光名所が集中しています。まず、ネビル・ボナー橋のたもとに直径約60mのブリスベン観覧車、その対岸には展望台付き高層カジノ・スカイデッキが、それぞれ屹立しております。また下船すれば、市民の憩いの場となっている人工砂浜ストリーツ・ビーチや、この都市の顔とも言うべきブリスベンモニュメントに、徒歩4分程度で行けます。

ちなみに、ブリスベン観覧車の料金は大人20~23オーストラリアドル、子供(4~11歳)16ドル程度です。筆者はこの観覧車に乗っている際に、ブリスベン川を航行するフェリーを見て、興味を持ちました。ぜひ一度空からもブリスベンを見渡してみて下さい。

  • Kangaroo Point

ブリスベンと検索すると必ずこの地域の画像が出て来ます。恐らく、川沿いに林立する高層ビル群が、ブリスベンを象徴していると見做されたのでしょう。地形が活かされた街並みから、オーストラリア人の自然観も垣間見ることが出来ます。

  • Howard Smith Wharves

このフェリーターミナルのすぐ近くにはFelons Brewing Co.という醸造所があり、ビアホールも併設しております。特にブリスベン川やライトアップされたストーリー・ブリッジを一望出来るテラスカウンターで、川風に当たって涼みながら飲むビールは格別です。もちろん店内も醸造所らしい無骨な鉄骨造のプレハブとネオンサインのコントラストが赴き深いのでお勧めです。

  • Northshore Hamilton

ブリスベンでは週末になると、至る所で夜市が開かれます。中でも有名なのが、NorthshoreのEat Street です。元はコンテナ埠頭だった場所を利用しており、世界各国のグルメを堪能することができます。

ちなみに筆者はブラジル風サンドウィッチとトルネードポテト、パンケーキを平らげ、ビールとミックスジュースを牛飲して動けなくなりました。他にもイタリアンやメキシカン、タイ料理、ベトナム料理、牡蠣料理、タトゥーショップまであるので、何日かに分けて通うのもお勧めです。

また併設されたステージでは生ライブを行なっており、会場一体となって盛り上がります。料理や飲み物の他に入場料金は大人6ドルがかかりますが、生ライブ鑑賞は無料。13歳未満は入場も無料です。

シティーキャットが、ブリスベンの不便な地形の産物であることは間違いありません。しかしたったの50オーストラリアセントでフェリーツアーを楽しめると考えれば、寧ろ恵まれた環境と言えるでしょう。皆さんもブリスベンを訪れた際にはぜひ乗船してみて下さい。

(文・写真/辰巳星空)

コメントを残す

*