【柳沢有紀夫の視点】最低賃金900円超えと「1文字=1円」問題

空っぽの財布

2019年7月26日の各紙web版では、「厚生労働省の中央最低賃金審議会が、2019年10月にも企業が従業員に支払う最低賃金を引き上げ、全国平均で900円を超える見通しとなった」という報道が流れました。

その一方で、フリーライターには「1文字=1円」というかなりの低報酬が提示される場合があることをみなさんはご存知ですか?

こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。

「1文字=1円」は時給換算すると……

怒る少年

文章を書くのにどのくらい時間がかかるのか。人によっても違いますし、内容によっても変わってきます。

ものすごくたくさんの調べものをしながらの場合は時間がかかりますし、逆に思いつくまま書く忘備録的なものであればサクッと仕上げられますよね。

だから一概には言えません。ただ私がこの「世界のコトなら」の記事を、それなりにしっかり調べものをしながら書くと、だいたい3000字を4時間くらいだと思います。1時間あたり750字ですね。

この「世界のコトなら」の執筆は無報酬なのですが、仮に「1文字=1円」で換算すると時給750円。全国平均で900円になるという最低賃金よりは低いですが、目くじらを立てるほどではない。

ただ私は学校を出てからコピーライター、ライターとずっと執筆の仕事をしてきたので、物を書くスピードはかなり早いほうだと思います。

経験2~3年だと時給500円、ライターを始めたばかりの人だと200~300円くらいにしかならないのではないでしょうか。

 

最近ではさらにひどい条件も

驚いている男性の顔

でも時給200~300円でも、まだマシなほうかもしれせん。

じつは先日、海外書き人クラブの会員とメールをやりとりしました。彼女は海外書き人クラブに入る前はクラウドソーシング系のサイトで仕事を得ていて、「1文字=0.3円」というのを見つけてクラクラしたそうです。

私もつい数ヵ月前、「海外書き人クラブのサイトを見て仕事を依頼したい」という新規のクライアントが現れました。あとでゴタゴタするのは絶対に避けたいので、最初にギャランティーの交渉をするのですが……そのときの提示は「1文字=0.5円」でした。

「いや、それはないんじゃないですかね」

そうギャランティーのアップを交渉してみたのですが、戻ってきた返事はこうでした。

「今、ネット仕事では1文字=0.1円とかもあたりまえですよ

その報酬で海外書き人クラブの会員に働いてもらうわけにはいかないので、この仕事は受けませんでした。

 

海外書き人クラブが受けている仕事のギャランティーは?

札束

「1文字=0.5円」の仕事をお断りした海外書き人クラブ。では実際どれくらいのギャランティーの仕事をしているのか

私たちが受ける仕事は「総額」が決まっているものばかりです。つまり「何文字くらいの執筆をして、ギャランティーはいくら」という契約のスタイルなので、「1文字=何円」とは正確には言えません。

個別のクライアントの金額をここでお伝えするわけにはいきませんが、ほとんどの仕事は「1文字換算で10円以上」です。「1文字換算で100円」の依頼はないですが、それに近いものはあります(こうした仕事は文字数とは別の大変さがあるのですが……)。

ただしすべての仕事が「1文字換算で10~数十円」なわけではなく、「1文字換算で5円」くらいの仕事もないことはないです。ウェブだと文字数は比較的自由なので、勢いに乗ってたくさん書くと「1文字換算で3円」くらいになっていることもないわけではないです。

 

「文字単価」では価値が計れない仕事もある

喜ぶ女性の後ろ姿

ただしこの「1文字換算3~5円」は、必ずしも割の合わない仕事ではないのです。

というのは有名な新聞社や出版社などからのお仕事だとすると、「あの会社の仕事をしています!」「この媒体で不定期連載しています!」とライター自身の宣伝になり、次のチャンスにつながるからです。

それから「自分の興味があるテーマだからギャランティーが少なくても書く」という場合もあります(しかも少ないと言っても、時給換算だとたぶん1000~1500円くらいにはなるとは思います。900円にアップされる全国平均の最低賃金を少し超えるかなという感じですね)。

だからたとえ「1文字=1円」の仕事でも、「自身の宣伝になるもの」や「書きたいテーマ」であればいいのかもしれません。でもそこまで文字単価が低いと、そういうものはあまりないのが実情のようです。

 

この「世界のコトから」の場合

空に向かって突き上げられている手

じつはこの「世界のコトなら」の執筆も、海外書き人クラブの会員や入会希望者に無報酬でお願いしています。ただし上記の「1文字換算3~5円」の話と同様に、ライターにメリットがないわけではありません

入会希望者には「テスト原稿」として執筆してもらっています。これは無報酬ですが、テストに合格すれば、「1文字換算で10円」どころか「1文字換算で数十円」超えの仕事も待っています

すでに入会済みの人でも、「これを書きたいのだけど適当な媒体がない」という場合などは「ぜひ世界のコトならにご寄稿を」と呼びかけています。「こんなことが書ける」と発表しておくのです。

するとその記事を見たクライアントから「ウチの媒体でも同様の記事をお願いします」という依頼が来ることもままあります。

また「ああ、この国にもライターがいるのだな」と知った得意先から、「世界のコトなら」で発表した記事とは関係ない内容の執筆依頼が来ることもあります。

そうすることで「1文字換算で10~数十円」の仕事を得られれば、無報酬で書いたことも「宣伝」になるのです。

 

海外書き人クラブの目標

手を取り合う人々

ライターの仕事はよほどの売れっ子……というかベストセラー作家にならない限り、そう大儲けできるものではありません。でも楽しい仕事ですし、この喜びを多くの人に味わってもらいたいと思っています。

約20年間海外書き人クラブを続けている理由は、そういうところにもあります。

いわゆる「ワーキングプア」をつくるためではありません「1文字=1円」以下で会員に仕事をしてもらい、私が左うちわになるためではありません

最低レベル報酬は守り、この仕事を長く続けてもらい、ゆくゆくは自著なども執筆できる人をたくさん輩出したいと思っています。物を書くのは楽しい仕事ですから。

また一匹狼の自営業者であるフリーライターですが、仲間になることもできます。力を合わせてギャランティーアップを勝ち取ることもできます。それも海外書き人クラブを続けている理由です。

百円ライターは使い捨てですが、物を書くほうのライターは使い捨てではありません

海外書き人クラブは「仲間」の集まりです。今仕事を発注してくれている多くの方々も同じような気持ちの「仲間」ですが、その数がどんどん増えることを祈っています。

(文 柳沢有紀夫)

 

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「海外書き人クラブ」は2000年に設立された海外在住日本人ライター・カメラマン・コーディネーター・翻訳者の集団です。2018年現在80ヵ国270名以上の会員が在籍中。日本国内のライターやカメラマンの手配も可能です。

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