【ライター講座】ライターのレベルアップに絶対必要な4ポイント

紫の蓮の花

プロのライターとして、もう一段ステップアップしたいのなら。あなたはいい記事を見つけました。すでに退会した人も含めて500人以上のライターたちを見てきた海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫スキルアップのポイントを解説します

私が見てきたライターのなかあなたが海外在住ライターでも国内在住のライターでも役に立つ情報だと思います。

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1 執筆依頼は「発注書」。プリントアウトしてしっかり読み込む

ごくたまになのですが、「なんでこうなるのかなあ」と頭を抱えてしまうような原稿をくれる人がいます。たとえば「家族の絆」というテーマなのに、「おとうさんとおかあさんのなれそめ」どころか「おとうさんとおかあさんの仕事の内容」を延々と書いてくる、とか。

それから画像も必要なのに、原稿を受け取った連絡とともにそのことを指摘すると、「あっ、知りませんでした」と言ってくる人。執筆依頼を読んでいないことが丸わかりです

そういう指摘をすると「いや、読みましたよ」と反論する人もいるのですが、目を通せばいいというものでありません「執筆依頼を読む」ということは、「そのとおりに仕事を仕上げる」ということです。

「執筆依頼」は別の言葉で言えば、「発注書」です。自動車メーカーが下請けの部品メーカーに、「こういうハンドルを納品すること」と発注したのに、大きさなどが違うものが納品されたら怒るでしょう。いや、仕事だけでなく、たとえばネットショップでパソコンでもリュックサックでもいいのですが注文して、型番どころかカラーが違うだけのものが届いただけでも「買ったのはこれじゃない」と不満に思うでしょう。

執筆依頼からずれたものを提出するというのは、それと同じなのです。

勘どころをつかむのがうまいライターならバックナンバーを読めば、何をすべきか理解します。それでも編集者がわざわざ執筆依頼を用意するのは、「こちらが考えていたのとは違うから書き直しせよ」と再依頼することを極力避けるためです。自分だけでなく、ライターの時間も無駄にならないように、貴重な時間を削って書いてくれるのです。そこまでしているのに全然違うものがあがってきたら……いい加減にしろっ! そんな気分になることは理解できますよね。……いや、理解できないから、そういう人は執筆依頼とは全然違うことを書くのかもしれませんが。

では執筆依頼をどう読みこんだらいいか。まずはプリントアウトしてください。ここで「プリンター、持っていません」という方もいるかもしれませんが、プリンターはライターの必需品です! 何もA3サイズの印刷やソートまでできる業務用のものを手に入れろと言っているわけではありません。家庭用のA4サイズまでのもので充分です。名の知れたメーカーのスキャン機能がついたものでも日本円にして数千円~2万円程度、スキャン機能がないものならもっと安くで手に入ります(将来的なことを考えるとスキャン機能付きをオススメしますが)。

というわけで、以前の記事【海外ライターとして「稼ぐ」のに必要なたった9つのモノ】では書かなかったのですが、一つ追加します。「プリンター」も必要です。ぜひ買ってください。必要経費です。

 

2 「本業が忙しいから」とは口が裂けても言わない

ライターとは別の仕事を持っているのはいいのです。ライター業だけで生活するのは大変です。会社勤めをされていたり、商売をされたりするのは一向に構いません。私がお世話係を務める海外書き人クラブの会員も、別に仕事を持っているライターのほうがむしろ多いくらいです。

だから「平日は会社勤めしているので、取材がある仕事は土日しかできません」とか「その時期はちょうど出張が入ってしまって、書く仕事は受けられません」というのはまったく問題ありません。

ただし! 「本業が忙しくて連絡できませんでした」「本業が忙しくて締め切りに間に合いそうにありません」といったフレーズは絶対に禁句です。NGワードです

あなたにとってライターの仕事は「ただの副業」かもしれません。でも依頼する側にしてみたら同じギャランティーを払っているわけですから、「本業ライター」だろうが「副業ライター」だろうが関係ないのです。

そしてあなたはギャランティーをもらっている以上、「プロ」なのです。そこをきちんと自覚してください。

 

3 「こづかい稼ぎ」という気持ちは捨てる

上記の「プロ意識」の話とも共通します。

今もあるかどうかわかりませんが、かつては「海外在住の日本人のみなさん。余った時間におこづかい稼ぎをしませんか?」といった感じの募集をかけているサイトが見受けられました。どのサイトかまでは覚えていませんが。

残念ながら海外在住の私の自宅にはないのですが、目の前にあったらちゃぶ台をひっくり返しているところです。いい加減にしろっ! と。

ライターの仕事はそんなに甘いものではありません。というか、そんなに甘い仕事なのですか、おたくでやらせている仕事は? ……まあ、そうなのかもしれませんね。文章も画像も盗作・盗用で済ませる「パクリまとめサイト」の仕事なら、「おこづかい稼ぎ」感覚でできるのかもしれません。昔で言えばテレクラのサクラとか、今ならネットで見知らぬ人とエロチャットする女の子とか。

でも本当のライターの仕事はそんなに甘いものでありません! きちんと取材して、起承転結などの構成を練って、読むに値する文章を書いて……と本当に大変なものです。書き終えたと思っても、編集者から「ここはどういう意味ですか?」とか「こことここが矛盾しているように感じるのですが」とか「この部分、当然のことのように書かれていますが、科学的な証明はできているのでしょうか。だとしたらそれが書かれたサイトのアドレスもお送りください」とか、あれこれ質問が返ってきます。それが多いときには3~4回続きます。いや、もっと多いこともあるでしょう。編集者はその仕事に命を賭けているわけですから。

いや、じつは質問が来るくらいならまだマシで、慣れないうちは「お原稿の意図を考慮しながら、全体をわかりやすく書き直してみました。これであっているかご確認ください」と完全にリライトされた原稿が送られてくることもあります。編集者が「何度もやりとりするよりもそのほうが手っ取り早い」と判断した場合です。そういう厳しい仕事です。

もしもあなたが海外在住でお手軽におこづかい稼ぎをしたいなら、悪いことはいいません。ライターはやめておきなさい。

こづかいを稼ぐのが目的なら、もっと適した仕事があります。会社勤めしたほうが、よっぽどラクして稼げます。もしも育児中で、家から出られない/出たくないというのであっても、在宅で稼げる仕事はあるはずです。

いい文章を書いて人を楽しませる。いつか本を出して、読者を幸せにする。そんな大きな夢がある人だけがかかわるべき仕事です。

 

4 直された原稿は宝物だと思え

さきほど書いたように、あなたの原稿に対して多くの質問が来たり、直されたり、場合によっては完全にリライトされることもあるでしょう。

一般的な傾向として、ギャランティーが高い仕事のほうが徹底的に直されます。だから今までそれまでずっとそうではない仕事をしてきた人はビックリするかもしれません。

そういう風に徹底的に直されたり、一からリライトされたりという経験を初めてした人の反応は、だいたい3つのパターンです。一番多いのは何の反応もしない人。それ以外に「心外だ」と憤る人と、「目から鱗だった」と感激する人がいます。何も反応しない人も、心の中では「心外だ」と感じているのでしょうが、仕事だからと抑えているのかもしれません。

このうちあなたがとるべき反応は……はい、「目から鱗だった」です。

どんな仕事でもそうだと思うのですが、失敗から学ぶ人は伸びます。他人のせいにしたり恨んだりするだけの人はそこで終わりです。

直されたりリライトされたりした原稿は、あなたにとって貴重な宝物です。それが1000字や2000字の原稿だとしても、「文章読本」一冊分くらいの価値があるかもしれません。つまり文字数で換算すれば100倍くらいの価値です。

というのは「文章読本」で書かれているのは、単なる「一般論」だからです。文章例があって、こう直したらいいという添削例が出ていたとしても、「誰か他人が書いた文」です。

一方、編集者が直してくれた文章はあなたが心血を注いで書いたものです。ご自身でも一生懸命考えて、ブラシュアップしてきたものです。そうした思い入れのある文章ですから、同じ添削を見るのでも「実感」が違うはずです。「ああ、私はこうしたけど、なるほどこうすればもっと良くなるのか」というのが手に取るようにわかるはずです。

こういう言い方もできます。文章教室に通ったらそれなりの授業料を払わなければいけないのに、ライターとして書いた原稿なら無料どころかお金もくれて添削していただける。別の言い回しをすると、「あなただけのための特別添削」です。

「宝物」と書いた意味がお分かりいただけたと思います。

※今回の前編である

【続・ライターのレベルアップに絶対必要な4ポイント】

および

【編集者が語る! 海外ライターが絶対注意すべき7ポイント】

もぜひご覧ください。

【まとめ】

  1. 執筆依頼は、編集者がわざわざ作った「発注書」。プリントアウトして読み込みましょう
  2. 兼業だろうがあなたはプロ。「本業が忙しいから」とは口が裂けても言ってはいけません
  3. 「こづかい稼ぎ」ならライターなんてやめましょう。もっと効率のいい仕事があります
  4. 直された原稿は「あなたのための特別添削」。宝物にして有効活用しましょう

【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】

(海外20ヵ国のライターが力を合わせてできた本の告知が一番下にあります。ぜひご覧ください)
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