【災害対策】洪水と床上浸水のあと何をすべきか5~浸水した壁はぶっ壊す

プラスターボードを壊したところ

経験者が語る床上浸水のあと、実際に何をしたか、何をすべきか、何を思ったか」。5回目の今回は「浸水後の壁の処分方法」などについて書きます。じつは……かなり大掛かりな作業が必要です。

こんにちは。海外書き人クラブお世話係、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

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1 水に浸かった壁はぶっ壊すことに

洪水から一週間後、自宅にもどってから4日後、室内の清掃はほぼ終わりました。

……と思ったら、全然そうではありませんでした。

以前知り合った大工さんに壁の損傷を見に来てもらいました。ゴールドコーストのコンドミニアムに泊まっていたとき、浸水した家が壁を取り外す作業をしているのを、テレビでよく観ていたからです。

建材のことはまったく詳しくないのですが、こちらの家では壁によく、プラスターボードという厚さ5ミリほどの建材が使われています。このボードで柱をはさむように壁をつくっているのです。

そしてこのプラスターボード、軽くて硬くて丈夫なのはいいのですが、唯一の欠点らしき欠点は「水に弱い」こと。一度水に浸ってしまうと非常にもろくなります。乾いたとしても、足で軽くけるとボコッと穴が開くくらい。つまり使い物になりません

またプラスターボードとプラスターボードの間の空間にばい菌だらけの汚水が入り込んだので、そのままにしておくて健康への被害も心配されるそうです。

プラスターボードを壊したところ

プラスターボードを壊したところ。最初はこんな風に遠慮がちでした。というのは……やっぱり自分のウチですか、壊すのは忍びないのです

プラスターボードを壊したところ

でも結局こういう風に「一枚分」壊さないといけないのです。パカッと入れ替えるのですから……。ということで壊すときには忍びないでしょうが、こういう状態にまでしてください。最初からこうしたほうが濡れてしまった柱なども早く乾くので、結果的にはいいのです

プラスターボードを壊したところ

プラスターボードの内側にはこんな風に泥水の残りが……。ということで本当は「➀プラスターボードを壊す⇒②高圧洗浄機で洗う」という流れのほうがいいです

さて、その大工さんの見立てによると、「プラスターボードは全部取り替えたほうがいい」とのこと。ただし、浸水していない壁の上のほうはそのまま残すそうです。

その宣告を聞いたとき、私が思ったのはお金のことよりもまず、「ボランティアの皆さんや妻に悪いことをしたな」です。壁の掃除はボランティアの皆さんが手で清掃してくれて、そのあと妻が除菌の洗剤で丁寧にふき取ってくれたところ。それをすぐ取り壊さなければならないのですから。

こういう情報をもっと早く把握しておけば無駄作業をしていただかくなくて済んだのに……。

ただ、彼女たちのおかげで家じゅうに雑菌がうようよしている状態ではなくなったわけですから、まったくの無駄だったというわけではありませんが……。

また大工さんによると、壁だけでなくドアも水を含んで膨張してしまったので、付け替えなければいけないそうです。

 

2 保険について

お金のことも、やっぱり心配ではあります。

私たちの入っている保険を調べ直したところ、洪水による被害は補償されていませんでした。そういう補償内容にした理由はよく覚えていないのですが、1994年にあった前回の大洪水で浸水していた地帯なので、保険料がかなり高くなっていたからかもしれません。

とにかく天災に関する保険は、きちんとかけておいたほうがいいようです。

さて、壁の修理費の見積もりがおいくらになるやら……。

 

 

3 政府や自治体からの一時金

お金と言えば、こんなことがありました。

ガレージで泥のついた道具を洗っていると、女性3人組が入ってきました。2人は州政府(地方自治体)からやってきた人たちで、もう1人はボランティア団体の人です。

州政府からの人たちは、私たちの家族の構成員を確認してから、「今回のお見舞金として、850ドル支給します」と小切手を置いて行ってくれました。日本円にして、7万円近い額です。

その他に、国全体の連邦政府の役所であるセンターリンク(児童手当から失業手当まで、手当に関するすべてを管理するところです)からは、大人一人につき1000ドル、子ども一人につき400ドルが支給されます。私たちは「子ども3人」と思っていたのに、17歳の長男と16歳の次男は「大人」と数えてもらえるとのこと(もしかしたら義務教育を終えているからかもしれません)。

支給額が4400ドル(35万円)に増えて、ちょっとうれしく思っています。

とにかく現金の素早い至急には、感謝しています。今は買わなければならないもの、支払わなければならないコストがあれこれあります。

 

州政府(地方自治体)から7万円は、さっそく洗濯機代に消えてしまいました。

オーストラリア連邦政府のセンターリンクからの35万円は、冷蔵庫とエアコンの室外機4基とプールの清掃ポンプ代くらいでしょうか。

壁の張り替え代やプールの清掃と水の入れ替え代など、あとどれくらい出費があるのか見当もつきません。家族のお気に入りだったマッサージチェアといった贅沢品には、なかなか手が届きそうもありません。

いや、違うな。

マッサージチェアや本などを買い直せるように、これから頑張って仕事をすればいいのです。失ったものを嘆いていても、何も始まりません。私は今回の洪水から、「怒涛のがんばるパワー」をもらったような気がします。

……しかし、このキャッチフレーズのセンスのなさ、なんとかならんか、私。

 

4 車で5分のシャワーを浴びに行く気にもならず

今日は午後4時にストーム(雷雨)が来ました。洪水後には初めてのことです。

そこで早めに片づけを終えたのですが、その時点でもう、普段肉体労働していない体は疲労困憊。朝6時前から一日中、慣れない肉体労働をしていると、どこかに行く体力がなくなるものです。

食事は車で3分の場所で、熱いシャワーは車で5分のプールで、どちらも無料提供されているのですが、私はまだどちらも利用していません。ガスが止まったままの自宅で、水シャワーで我慢です。

今度、災害があったら、対策本部やボランティアのみなさん、食事などはできる限り、被災した各家々まで届けてあげるようにしてください。……シャワーは届けるわけにはいかないでしょうが。

 

5 電気のない生活

停電生活は4日になりました。ただ「電気のない生活も悪くない」と子どもたちも話しています。

昨晩、確か次男がこんなことを言いました。

「夕ごはんの後、おしゃべりすることくらいしか楽しみがないのもいいよね」

確かにその通りです。家族全員がそろってこんなに長い時間おしゃべりするのは久しぶりです。ゲーム小僧の彼がそんなことを言うとは。被災体験は人間をたくましくしてくれるのかもしれません。

【文と写真 柳沢有紀夫】


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