【フィリピン在住ライター直伝】究極のおいしいバナナ8選+α。フィリピンでしか入手困難

バナナの房

こんにちは。海外書き人クラブ会員、フィリピン在住のOkada M. A.です。

フィリピンのバナナは大手多国籍企業によって世界に輸出され、特に日本のバナナはその約75%がフィリピン産です。しかし、その日本で食べられている種類のバナナはフィリピン国内では出回っていないのをご存知ですか?

つまりその輸出されている「キャベンディッシュ」という種類のバナナはあくまで海外用。他のバナナより短いサイクルで実が収穫できて、サイズが大きく傷みにくいという理由から選ばれています。逆にいうとフィリピンの人々が日常的に食べている本場のおいしいバナナは、なかなか日本などフィリピン国外では食べるのは難しいということなんです。

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という訳で今回は、本場フィリピンの様々な種類の中でも、究極のおいしいバナナをご紹介しましょう! まずは正統派・黄色いバナナのベスト3から!! (なぜバナナが黄色などと当たり前のことをわざわざ言っているかは、後のお楽しみ・・・)

 

黄色いバナナのベスト3

第3位 セニョリータ(Señorita)

木になるセニョリータの実

この「セニョリータ」は、いわゆる「モンキー・バナナ」と言われるようなミニ・サイズのバナナで、名前のごとく若い女性のようなキャラクター。若々しくて青い香り、あっさりとした甘みで爽やかな後味。パクパクといくらでも食べられます。しかし、まるで真夜中が期限のシンデレラのように、この「セニョリータ」も正に花の生命は短く、食べ頃になったその日か次の日には食べないとすぐに傷んできます。正にバナナ界のプリンセス、セニョリータ!

セニョリータの房

 

第2位 ラトンダン(Latundan)

ラトンダン売場

「ラトンダン」は庶民の味方! 値段は安く日持ちがして、最後までおいしさを失わない。例え外側の皮が黒くなっても、内側の美しい白さは保たれて、しかもまた違ったおいしさに味が変化していきます。中にはこの、真っ黒に変色した頃の味が大好きという人もいます。写真をご覧下さい、これは間違ってもバナナの廃棄場ではなく、立派なラトンダンの売場なんです。ここにあるように房から離れ、黒変してしまったものでも立派に売り物になって、一山幾らで売られて行きます。正にバナナ界の正義の味方、ラトンダン!

ラトンダン

 

第1位 ラカタン(Lakatan)

ラカタン

「ラカタン」こそはバナナのキング・オブ・キングス! 王の中の王。これぞ世界の皆が認識しているバナナの味と香りと舌触りの代表格。「これぞバナナ」。常に美しい黄色の皮を最後まで保ち、黒いシミもあまり出て来ません。同じ味と香りを長く保ち、最後まで気品を失わない。栄養価も他のバナナより高く、もう、バナナ界のアーサー王かプトレマイオスかとでもいうべき存在。文句なしのフィリピン・バナナの頂点、王者ラカタン!

ラカタンを剥いたところ

 

さて、オーソドックスな「黄色いバナナ」ベスト3はいかがでしたか? フィリピンにお越しの節はぜひお試し下さい。さてさて、バナナ王国のフィリピンの奥の深さはまだこんなものではありません。まだまだ究極の美味しいバナナはあるんですよ!

なんと次は……。

 

「カラフルなバナナ」のベスト3

第3位 黒いバナナ: ネイティブのサバ

黒バナナ(サバ)

この真っ黒なバナナの写真をご覧下さい。最初は普通のバナナと同じ、緑色から始まるのですがそれが通常どおり黄色に変わったと思いきや、アッという間に真っ黒に変色します。この「サバ」という種類は調理用のバナナで、揚げたり蒸したりして食べる他に料理にも使います。マニラなどて売っているサバはこんなに黒変しない結構普通の茶色や緑がかった黄色ですが(記事の一番下の「おまけ」参照)、このフィリピンの田舎にあるサバは黒くなるだけが特徴ではなく、なんと「種」まで入っています。つまりバナナが「種なし」に改良される前の原種に違いという訳です! 味も濃厚で、写真のフライにしたものはオヤツにもOK、芋のフライの様にしてオカズでもOKなのです。

フライにしたサバ

 

第2位 緑のバナナ: ブングラン(Bunglan)

まず、写真をご覧下さい。物売りの大八車に載せられた緑のバナナ。知らない人が見たら、まだ熟れてないバナナを売っているようにしか見えないでしょう? しかし、これが熟れた食べ頃の「ブングラン」それそのものなのです。

ブングラン

 

最後の最後までこの緑を失わなず、バナナが黄色だという常識さえもくつがえすバナナ。しかし、これが非常においしい! 爽やかな、まるでミントが微妙に配合されたような味と、シナモンが密かに振られているような香りに凄くフラジャイルな舌触り。実はこのブングラン、品種群としてはあの輸出用の「キャベンディッシュ」と同じ。しかしその特徴や味わいは正に正反対といえるのです。

実はこのバナナが私個人のお気に入りなのですが、これがまた、高級果物屋やショッピング・モールなどでは手に入りません。ならばと庶民の市場(パレンケ)を探しても見つかりません。このバナナを手に入れるには、写真のような居場所の定まらない行商の大八車を探すしかありません

というのもこのバナナ、あの「セニョリータ」よりもはかない寿命しかなく、買ったらその日か次の日の早いうちに食べないと、すぐにダメになってしまうのです。そのために流しの行商人が場所を移動しながらすぐに売り切ってしまうしかないのです……。またそのために、値段も全てのバナナの中でも最も安くに売るしかありません。兄弟のキャベンディッシュが世界で活躍する陽のあたる場所のバナナだとすると、なにか切ない日陰者でその魅力をなかなか知ってもらえず、二束三文で売られてしまう可哀想なブングラン。しかし、私はブングランの味方です!! だから少なくとも今日だけはスポットライトをあてて賞賛の第2位だ!

ブングランを剥いたところ

 

第1位 赤いバナナ:モラード(Morado)

それは「神秘」と言えるかも知れません。この重厚な紅き衣装を纏ったロイヤルなたたずまい。これが単なるバナナでしょうか?

モラードの房

何かなめし革でできたような高級感溢れる外皮を剥くと、そこには若干オレンジがかったミルキーホワイトの果肉が現れます。その味はというと、まるで牛乳や玉子の黄身にレモンピールやヴァニラを使ってパティシエが腕を凝らして作り上げたかのような濃厚なテイスト! その香りはというと、白いバラの香りに微かな麝香(ジャコウ)が隠されたようなフレグランス!

モラード

これは既にバナナの領域を超えています。例えるならば十分な大人の魅力をもったクィーン。どんな大王や皇帝でもその魅力に逆らえないような、まさにクレオパトラや楊貴妃のイメージ。そうです、これはバナナの女帝、これこそが第1位! 「モラード」なのです!

マニラにいて、毎日市場の果物屋を注意して見ていても、なかなか手に入らない「モラード」。フィリピンにお越しになって、もしこの「モラード」を見つけたら、いくら値段をふっかけられたとしても、即買いです! ぜひ一度はお試しあれ。

 

さて、カラフルなバナナたちはいかがでしたか? しかししかし、フィリピンのおいしいバナナはまだこんなものではありませんよ。

近年の科学のDNAの研究によって、世界中のバナナの元々の祖先はここフィリピンのバナナとマレー半島のバナナの交配種から偶然出来た「種なし」のバナナであることが分かっています。

さてそんなバナナのふる里であるフィリピンには、我々人類であるホモ・サピエンスのもっと前にネアンデルタール人やクロマニョン人がいたように、現在のバナナのもっと昔の祖先に近いバナナがあります。究極のおいしいバナナ、番外編です!

 

番外編

その1 幻のバナナ、ティンドッ(Tindok)

テインドッ

このバナナは滅多にマニラのあるルソン島では手に入りません。もっと南のヴィサヤ地方か、もしくはバナナの王国、最南端のミンダナオ島などでしか容易には手に入りません。またこの「ティンドッ」は一名「ホーン・バナナ」とも言って、その名のとおり水牛のツノのように長さが40cmほどになる種類もあります。

今日ご紹介する種類はその中でも「幻のティンドッ」です。というのも、普通のテインドッや通常のバナナはセニョリータの写真にあるように何連も重なって一つの房を形っくりますが、この「テンドッ」は写真にあるように、一つ一つの実は大きいものの一連しか形作らず、10か月に一度程度の収穫時に数本しか手に入りません。そのため、自家消費が主で、食べたかったら「幹の根元に生えている新芽の部分をお願いして分けてもらって自分で育てるしかない」という有様。

しかし味は超特選級だそうで、これは本当の幻のバナナ。実は私もこの写真は撮らせて貰えたものの、この実は全て親戚の予約済みだそうで、目の前にしながら食べることはできませんでしたー!(号泣)正に、そして未だ「幻」です……。

 

その2 幻の「種ありバナナ」、ドゥガン・ドゥガン(Dugan dugan)

ドゥガン・ドゥガンの房

バナナの種! そんなの考えた事がありますか?

私達が普段口にする事が出来るバナナは押し並べてすでに「種なし」に品種改良してあるそうで、元々の原種のバナナは種が実の中にしっかりあったそうです(☆参照)。そうするとこの「ドゥガン・ドゥガン」は紛れもなく原種に限りなく近いバナナと言えるでしょう。情報によると世界中のすべてのバナナの遺伝子はマレー半島とフィリピンのバナナの交配種の遺伝子に繋がっているそうで(★参照)、そうするとこの「ドゥガン・ドゥガン」、人類例で例えていえば「出アフリカ」の前の、人類の共通の祖先の「ルーシー」に近い存在のような、そんな「出東南アジア」前のバナナと言えるかも知れませんね。

これもヴィサヤやミンダナオなど田舎だけにあって、マニラで買うことはほとんどできない「幻の種ありバナナ」なのです。味は濃厚でもっちりとしたいかにも田舎の自然の味。スイカのように種をペッペッとやりながら食べるバナナなのでした。

☆バナナの種 日本バナナ輸入組合広報室

★バナナの遺伝子 日本バナナ輸入組合広報室

 

おまけ:サバ(Saba)

このデップリとして野性的な色をしたバナナは、生で食べてももっちりとした食感と控えめな甘さでおいしいのですが、フィリピンではこれは主に調理用。調理といってもスィーツにするだけではなく、芋のように取り扱われて料理にも利用されます。野菜扱いなので、写真のように八百屋さんで野菜と一緒に売られることも。

サバ

 

以上、バナナ王国フィリピンの絶品バナナたちでした。

【文:海外書き人クラブ Okada M. A.】

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)



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