【フィリピン在住ライター直伝】マニラの交通機関7選。まるで絶叫マシン!(前編)

ジープニー

マニラのタクシーは比較的手軽に利用できるので(初乗り:約85円)、短期の旅行などではそれだけで済ますことも可能。しかし何十分たっても空きのタクシーがこない中、何人も乗っていないジィプニーが目的地の方向に悠々と通り過ぎてゆくのを見たら……。しかしだからといって、マニラの交通機関にイザ乗ってみようとしても敷居は高いことこの上なし。
そこで今回は毎日これらのコミューターを利用している私からのマニラ交通機関攻略の虎の巻をご紹介しましょう。
こんにちは。海外書き人クラブ会員、フィリピン在住のOkada M. A.です。

まず数あるコミューターの中から前編は「四輪自動車編」です。……「四輪自動車」って変な言い方だと思いますが、理由はあとでわかると思います。

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その1 「ジープニー」

キャプション(以下同じ):ジィプニーは元々米軍の払い下げた軍用ジープを改造して作られたもので、現在でも町工場で中古の日本製のエンジン(いすゞ製が多い)やタイヤ等を使い、一台一台手造りされている。ブリキ製の車体が多かったが、現在はステンレス製が主流で、ポップで奔放なデザインがより派手になった。

キャプション(以下同じ):ジィプニーは元々米軍の払い下げた軍用ジープを改造して作られたもので、現在でも町工場で中古の日本製のエンジン(いすゞ製が多い)やタイヤ等を使い、一台一台手造りされている。ブリキ製の車体が多かったが、現在はステンレス製が主流で、ポップで奔放なデザインがより派手になった。

さて最初は、フィリピンといえばこれ、派手派手な塗装とユニークな車体で独特な「ジィプニー」から。この乗り物の利用のコツは「自己申告」! 乗る時、運賃を払う時、降りる時、全てに自己申告が必要です。
まず乗る時:ジィプニーに停留所はありません。稀に自治体が決めた乗り場はあるにはありますが、ジィプニーの乗降の特色は「乗りたいところで乗り、降りたいところで降りる」。その為、乗る時は手を挙げて待っていると常に「時は金」のポリシーで爆走しているジィプニーは急停車してくれるのが普通。そしたら手早くササッと乗り込まないと、またすぐに爆走が始まります。

停留所

街角には特に誰か決めたという訳ではない自然発生的な乗り場がある。このなんとなく人が集まって待っているのが「自発的な停留所」

運賃を渡す時:ガラス窓も扉もなく外の騒音が入りっぱなしで、しかも大音量のダンスミュージックをガンガンかけていることの多い車内では大声で意思表示しないと運賃が払えません。というのも普通車掌はおらず、後向きの運転手に爆走中にハンドルから片手を離して手のひらを乗客側に向けてもらい、他の乗客にリレー式で運賃を渡していって貰うには「バヤト!(支払い!)」と叫んで皆さんの注意を喚起する他はありません。コインを持ってグズグズしてても誰にも気づいてもらえず、目的地についた挙句に無賃乗車になってしまったら大変です。

ジープニー車内

熱い熱帯の太陽光で天井が灼けるので断熱材が施してあり、クラッシックな雰囲気。ゴミ箱の下が大音響BGMの為のスピーカー。

降りる時:「好きな所で降りる」のは便利ですが、それには同じく騒音だらけの車内で「パラ!(降りる!)」あるいは「サタビラン!(寄せて!)」と叫んで意思表示しないとどこまで行っても爆走ジープニーは止まりません。しかし一旦運転手が認識したら、ガガッと車線変更して急停車してくれます!他の車は「ジィプニーなら仕方ない……」と怒るドライバーもなし。
ジープニーは、マニラの主要な道路ではほぼ24時間動いている便利な乗物ですが、利用手続き、安全管理(開けっ放しだけに強盗事件はやはりある)には自己責任が必要、という訳です。
初乗り(4キロまで)7ペソ(約16円)で、乗り継げばマニラのどこにでも20ペソ前後でいけるジィプニーはフィリピンでの庶民の主要な足なのです。

 

その2 「路線バス」

路線バス

エアコン無しのオーディナリー・バスは、雨が降らない限り大概窓も扉も全開で爆走する。

マニラの主要な幹線には路線バスが走っています。MRTやLRTなどの高架鉄道では駅から歩かなければ行けない様な場所も、路線バスは細く止まるので、渋滞がいつもひどいにもかかわらず盛んに利用されます。路線バスにはエアコン付きの「エアーコンディショナー」とエアコン無しの「オーディナリー」の二種類が同じ路線に必ずありますが、まだまだ貧困層の多いフィリピンでは、外国人にしてみると些細な料金の差(15ペソが12ペソだったり)も毎日の事になると重要な差になって来るので利用客は多い訳です。
「オーディナリー」の凄いところは、窓どころか扉も全開で突っ走るところで、ジープニーと同じく「時は金」で爆走するバスの扉が開けっ放しなのは相当迫力満点、運転も粗いので扉のそばなどではしっかり何かに掴まっていないと大変です。しかしもう一つ凄いのは、そんな中、昔ながらの切符の束と切符切りのパンチを両手に持ってヒョイヒョイとやって来る車掌さんで、やはりプロはプロと思わせます。オーディナリーに限らずエアコンバスでも、まだまだワンマンカーはごく少ないので、行き先や料金のことはここも中二レベルの英語で車掌に訊けば大丈夫。目的地が来たら教えてくれと頼む事も出来ます。
私が結構オーディナリーを利用する理由は、エアコン・バスの場合は観光バスなどど同じ車内(縦並びの三席と二席の列なので通路が狭い)で自動ドアが一番前にありますが、頻繁に乗客が乗り降りするので、奥の方の席に座っていると、どんどん人が乗ってきて通路まで一杯になってしまった場合、いざ目的地に着いたにもかかわらず出るに出られないという立場になる事が多々あるからで、外国人にとってはそれはそれはツライ状況があるからなのです。
路線バスはジープニーと違ってフロントガラスに貼ってあるのが行き先と途中の駅名ですので確認して乗れば大丈夫です。料金は8ペソから距離次第

 

その3 「遠距離バス」

遠距離バスのターミナル

ここクバオはアリ・モールのターミナルの遠距離バスはルソン島以外の島々(!)に向う。途中バスごとフェリーに乗り込み、丸一日や二日がかりの長旅となる。チケット売場もあるが、大量の荷物の事もあるので、バスの近辺で料金の交渉が行われる事も多い。

マニラには遠距離バス用の大きなターミナルが数カ所あって、ここでも路線バスと同じく、必ずオーディナリーとエアーコンディショナーとがあります。長距離バスの乗客の特色は、まぁ驚く程の手荷物の量! さながら小さな引越しといえるような分量を皆さん運ぼうとします。中には冷蔵庫やエアコン、自転車やタンス、生きた鶏!なんてのもあります。エアコン・バスはそれなり座席下の荷物スペースも大きいのですが、オーディナリーの場合はそこも貧弱なので通路も荷物置き場と化してしまうこともあります。私は一度20時間の間、隣がニワトリだった!なんてこともありました。

長距離バス

このオバサン方三人の手荷物の量がこれ!これでもいくつかは、荷物スペースに入り込んだ係のオジサンが入れ込んだ後!

遠距離バスの切符はターミナルにある各バス会社のブースで一ヶ月ほど前から買えますので、外国人としては事前に一度ターミナルまで足を運んで状況を確認し、切符を購入しておいた方がいいでしょう。webからオンラインの予約もある場合もありますが、現金で決済していない内は切符は確保されていない、と考えた方が無難です。

 

その4 「FX」(エフエックス:乗合タクシー)と「バン」

ミニバン

FXはそのほとんどが白い車体のミニバン。バンはいわゆるワンボックス。

「FX」とマニラの人々に呼ばれる乗合タクシーの名前の由来は、以前はほぼこの業界を独占していたトヨタの製品名に因んでいます。ジィプニーと違って有名メーカー車でエアコン付き。途中での乗り降りは出来ますが、基本的には始点から終点まで大概20―30ペソで一直線に行ってくれますので、乗り方は一番簡単で快適そうなのですが……、マニラの交通機関はそうは問屋が卸してくれるハズはない。ここでの問題は「満員になるまで出発しない」という点。いや、時間がかかるのが最大の問題ではありません、真の問題はキャパの設定が高すぎる!こと。ミニバンで乗客の定員は10名!ワンボックスは18名!
ミニバンの二列目はどう見ても3名でギリギリでしょう!ところがここに、老若男女体型無視で4名詰め込みます!ワンボックスの方は二名掛けに補助席がついて、これもどう考えてもお尻は三つだろう、と思うのは甘い!ここにお尻を四つ入れたら三番目の尻は座席と補助席の隙間!?と不安になるあなた!そのとおり!
この苦行を避ける為には、周到に並び順を考えて20センチの隙間とドアの板挟み、もしくは三番目の尻になるのを避けなければならない、というテクニックが必要になるのです……。

タクシーの車内

バンの補助席付近)つまり!こういう事!フィリピンの人は我慢強いというか何も気にしないというか

以上、マニラの交通事情「前編」でした。「後編」はさらに激しく爆走します。

【文:海外書き人クラブ Okada M. A.】

(国によって変なものが高かったり安かったり。そんなお値段からお国柄を紐解いた本の告知が一番下にあります。ぜひご覧ください)



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