【死語辞典】(50年代以前「ア行」の死語まとめ)

海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』。「1950年代以前」に流行った死語とは? そのうち「ア行」から始まるものの意味と用例・用法をまとめました。

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アジャパー

コメディアン(←あっ、これも死語?)の伴淳三郎さん(ニックネーク:バンジュン)が1951年の映画『吃七捕物帖・一番手柄』に出演して、「アジャジャーにしてパーでございます」というセリフを言った。それを短くした「アジャパー」が流行し、1953年には『アジャパー天国』なんていうタイトルの主演映画までつくられるに至った。つまり「スピンオフ」のハシリみたいなものね。

意味は「アチャー+トホホ」的な感じ。だが、あまり意味は重視されていなくて、とにかく連発してたのしい気分になるために用いられた。文中に用いられるよりも、リアクションで使うほうが圧倒的に多い。たとえば「昨日、ナンパしてラブホテルにしけこんだ子、服を脱がしたらアソコにオレのより立派なモノがついてたんだよ」「アジャパー!」とか。

意味よりもノリを大切にするという点では、「ゲッツ!」的「フォー!」系な死語。

頭のネジがユルい

「頭が悪い」といったニュアンス。しかし頭にネジがある人間はそうはいない(頭蓋骨骨折の手術、または頭蓋骨を外して行う手術か何かを受けた後、固定のために一時的にボルトを入れているような場合くらいかと思う)。

どうして「頭のネジ」という表現が出てきたか不明。宇宙人によるインブラントかキャトル・ミューティレーションか(←おそらくこれらも死語だね)。

【関連語】 (お)マタがゆるい

アッパッパー

「おバカさんのこと」と解説されていることもあるが、私自身はそういう意味で使ったことはない。たぶん「パッパラパー」との混同なんじゃないかなと思うが、もしかしたら「おバカさん」という用法もあるのかもしれない。

もともとアッパッパーとは、ウエストを絞っていないノースリーブの夏用のワンピース。当然生地も薄いし、夏服なので薄い色が多く、ノースリーブで露出度も高い。「オバチャン服」などと言われるが、昔は若い女性も着ていて、子ども心にドギマギした経験がある。今、キャミソールを着ている子を見て、「近頃の若いモンは下着姿で外出しよる」みたいなことを言うおばあちゃんも、若いころはそれなりの恰好をしていたんだね。

アンポンタン

「バカ」とか「アホ」とか、人をののしるときに用いられた言葉だが、なんとなく親しみを感じる。理由は語呂の良さ……じゃなくて、私がしょっちゅう言われたからかも。用法は「このアンポンタンが!」とか「このアンポンタンめ!」とか。

辞書に載っている言葉だが、少なくとも話し言葉では死語化しているので収録した。ただし書き言葉では憧憬とか、ちょっとしたニュアンスをつけるために用いることがある。たとえば「それは私がアンポンタンだったころ」とか。

話は飛ぶが、日韓ワールドカップでヒーローとなり、Jリーグでも活躍したアン・ジョンファン(安貞桓)は今どこに……。

【類義語】 オンタンチン/オタンチン オタンコナス トンチンカン トウヘンボク でくのぼう うすらとんかち こんこんちき イカレポンチ すっとこどっこい

イカレポンチ

「頭がいかれる(=狂う)」の「いかれる」から派生した言葉だと思われる。「頭が悪い」というより、「常軌を逸している」というニュアンスが感じられる。「またシンナーをやってきたのか! このイカレポンチが!」とか。

【類義語】 アンポンタン オンタンチン/オタンチン オタンコナス トンチンカン トウヘンボク でくのぼう うすらとんかち こんこんちき すっとこどっこい

うすらとんかち

これまたののしり語だが、「でくのぼう」が動作の鈍さに関して非難するのに対して、「うすらとんかち」は頭の回転の悪さを指摘することが多い。「こんなこともわかんねえのか、このうすらとんかちが!」。「ボンクラ」にも近い。

【類義語】 アンポンタン オンタンチン/オタンチン オタンコナス トンチンカン トウヘンボク でくのぼう こんこんちき イカレポンチ すっとこどっこい

うわばみ

大酒飲み」のこと。もともとは「大蛇」や「おろち」のこと。なんでも飲み込んでしまう⇒「大酒飲み」という変化。少なくとも80年代くらいまではノスタルジックな表現としてたまに使っていた。男性に対しても用いることができるが、女性に使うことのほうが多かった。たとえば、「酔わせてなんとかしようったって、無駄よ。ワタシ、うわばみなんだから」。そう言われて、私自身の「うわばみ」がしおれたことが何度あったことか(←すみません。ちょっと見栄をはりました。ごめんなさい)。

【類義語】 ざる 呑み助/飲み助 飲んだくれ 飲兵衛

【関連語】 左党

エアホステス/エアガール

銀座や六本木、北新地などのクラブホステスとの関係を想像する方もいると思うが、今でいう飛行機の「客室乗務員」「フライトアテンダント」のこと。ちなみに、「エアホステス」は「いかにも和製英語」だが、ちゃんとした英語だ。

【類義語】 スッチー

オタンチン/オンタンチン

「アンポンタン」同様、辞書に載っているが、話し言葉では死語化している。私が使っている辞書によると「のろま。まぬけ。人をののしって言う語」らしいが、個人的には母親や年上の女性がいたずらっ子を見守るような、もう少し暖かなニュアンスを感じる。「おバカ」とか「おバカちゃん」に近いか。

用法としては「ウフフ❤❤❤。もう、こんなに大きくなっちゃったの? オンタンチンね❤」……いや、違う。「あんたは本当にオンタンチンねえ」とか。母親がいたずらっ子の息子を叱りながらも、心のどこかで「でもまあ、男の子はこれくらい元気があったほうがいいかもしれない」と思っている感じ。……そういう「男の子」と「元気」って話じゃなくてね。

ちなみに辞書では「オタンチン」とあるが、上記のニュアンスをより鮮明に出せるのは語呂のいい「オンタンチン」だと思う。

【類義語】 アンポンタン オタンコナス トンチンカン トウヘンボク でくのぼう うすらとんかち こんこんちき イカレポンチ すっとこどっこい

オタンコナス

これまた「アンポンタン系」の言葉。1990年代初頭には完全に消滅しかかっていたが、佐々木倫子さん作の漫画『おたんこナース』に採用されたことで、辛くも完全死語化を免れている。オタンコナスという言葉は、佐々木倫子さんに足を向けては寝られないだろう。

某辞書には「まぬけ。とんま。人をののしって言う語」と、「オタンチン」とほぼ同じ解釈が書かれている。用法は「手抜きしないで真面目に仕事しろ、某辞書! このオタンコナスが!」とか。

「オタンチン」が基本的には子どもに対して使うのに対して、「オタンコナス」は子どもではなく大人に用いられることが多かった。「ウチのオタンコナス上司が……」のように目上の人に対してもしばしば用いられた。

【類義語】 アンポンタン オンタンチン/オタンチン トンチンカン トウヘンボク でくのぼう うすらとんかち こんこんちき イカレポンチ すっとこどっこい

オッチョコチョイ

あわてん坊で、注意不足で、すぐに不用意なミスをすること。またはその人。「あんたってホント、オッチョコチョイなんだから……」とか。昔のガールフレンドに口癖のように言われたけど、その子とつきあったことが人生最大のオッチョコチョイだったね。

温泉マーク

もともとは地図記号の「♨」のこと。温泉または公衆浴場(銭湯など)を指した。

ところが徐々に「連れ込み旅館」「連れ込み宿」を指す隠語となった。「連れ込み旅館」「連れ込み宿」とは、今でいう「ラブホテル」や「ファッションホテル」「ブティックホテル」の機能を果たす場所。「果たす」という表現は露骨か。……いや、気にしすぎか、私?

「ラブホテル」との根本的な違いは、畳式で布団が敷かれている点。カーペットやフローリングにダブルベッドというラブホテルが登場して以来、おそらく「なんとも所帯じみている」という理由で、「連れ込み旅館」は廃れてしまった。ただしいまだに現存はするらしい。

【類義語】 逆さクラゲ

 

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※ このページのいちばん下に【『死語辞典』のチョベリグな使い方】を記しました。そちらもぜひご覧ください。

 

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『死語辞典』のチョベリグな使い方

 

1) 1950年代から2000年代にかけての死語の「意味」「時代背景」ドンピシャリと解説。「用例」も極力ワンサカ載せます。

2) 画面上のほうのメニュー欄の「死語辞典」にカーソルを合わせると、年代ごとの死語がモロ見えになります

3) 画面右側の「検索機能(虫眼鏡マーク)」に知りたい死語を打ち込むと、バッチグーな答えが得られます。

4) 世代が違う方とのコミュニケーションギャップも、パーペキに埋められます。飲み会が「どっちらけ~」になることも避けられます。

5) 死語の解説は、管理人の独断により行っています。偏りは重々承知の助。どうぞ許してチョンマゲ! (間違いのご指摘はお待ちしております)

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