【ドイツ在住ライター直伝】ドイツの生活に関する常識 7つのポイント

お仕事や留学、結婚など色々な理由でドイツにこれから住む方がぜひ知っておきたい生活に関する「常識」を7つ、ご紹介したいと思います。

ドイツ在住の海外書き人クラブ新会員の吉村美佳です。

1) 住宅の常識

ドイツの家

日本の最北端よりも北にあるドイツは、冬が寒いです。気温がマイナス10度なんて当たり前。分厚い壁には断熱材がしっかり貼られ、密閉性の高い窓は、ガラスが二重または三重。密閉性が高い一方で、冬でもカビが発生しやすいので注意が必要です。

寒い季節は、毎朝毎晩複数の窓を同時に最低5分ほど開け放ち、空気の入れ替えをしましょう。寒いからと怠ると、カビが発生してしまいます。

もちろんシャワーや入浴の後のお風呂場の換気も忘れないでください。

ちなみに、秋から春先にかけては、ドイツでは暖房はつけっぱなしになります。

また、水道管破裂防止のため、冬氷点下になる前に、お庭の水道は元栓を閉め、蛇口を開放して内部を空にしておくことが大切です。

一方で、夏はどうかというと、日本のように、夜中まで暑い、ということはありません。

それどころか、外出していると、夜寒くなるので、カーディガンなどの長袖のちょっと羽織るものが必要なくらいです。

夜寝る前に窓を開け、朝の涼しいうちに閉めるようにすると、夜中の間に涼しい空気が入り込みます。そして、日中は極力窓や扉を閉めること。これが過ごしやすい環境作りのコツです。ドイツの家は壁が分厚く、熱が入ってこないので、空調機がなくても問題ありません。

 

2) お店の常識

ドイツのスーパー

知っていても、慣れるまではついつい忘れてしまう常識。「日曜日はお店が閉まっている!」と言うこと。そもそもコンビニもない国。本当に困った時には、ガソリンスタンドがコンビニ代わりです。

日曜日にお店が閉まっているのは、1956年に労働組合の要望により作成された「閉店法」という小売店の閉店時間を規制する法律によるものです。例外はあるものの、簡単にまとめると以下の通りです。

  • 祝日、日曜日は閉店すること
  • 月曜日から土曜日までは朝6時以前、夜8時以降は閉店すること
  • 12月24日(クリスマスイブは祝日ではない)が平日の場合、朝6時以前、午後2時以降は閉店すること
  • パン屋は朝5時半からの営業が可能。日曜日祝日は、バイエルン州では3時間以内の営業のみが可能
  • 薬局は全ての日、かつ24時間の営業も可能。(なお祝日、日曜日の販売用品は限定される)
  • ガソリンスタンドは、制限なく、全ての日にまた24時間の営業が可能
  • 鉄道駅にある小売店は、朝6時から夜10時までの営業が可能
  • 空港内の小売店は、12月24日は午後5時まで、それ以外の全ての日に24時間営業が可能

ドイツ人というのは個人の生活を大切にする国民です。仕事は仕事、家庭は家庭と割り切って考えます(日曜日でもカフェやレストランは、営業します)。

営業時間以外にも、知っておいてほしいことがあります。それは、「お客様は神様ではない」と言うこと。日本人的な感覚でいるとびっくりすることもあります。例えば、レジでのお支払いの時に、お財布の中に入っている小銭をごそごそと探していると、レジ係が、早くお金ちょうだいとばかりに手の平を広げて待っていることもあります。

お店で親切な店員さんもたくさんいますが、ときにはとっても横柄な態度をされることもあります。店員さんにだって気分の悪いときもあるでしょう。お客様は、いつも神様のように良い対応をしてもらえるとは限りません。

ドイツのショッピングカート

そしてもう一つ。ショッピングカートは、コインを入れて使います。

これは顧客がショッピングカートを所定の場所に戻すようにするためのシステムです。戻すと、コインが戻ってくるので、面倒くさくてもちゃんとこれで片付けられるからなのです。日本人はそんな裏技を使わなくても、ちゃんと返せると言う、礼儀正しさを持っていると言うことですね。

 

3) 自動車運転の常識

ドイツの道路

車の運転で日本と異なるのは、まず、右側通行ということです。これは慣れればそれでいいのですが、交通ルールに大きな違いがあります。

交差点では、普通は右から来た車が優先となる、ということ。例外は、自分の走っている道路が優先道路である表示がある時です(交差点ではなく、駐車場やお店などの出入り口であれば、右側から来る形でも優先ではない)。

 

4) 騒音は曜日や時間に気をつけて!

ドイツの職人

ドイツ人はDIY好き、かつ住居を大切にする国民。そのためもあってか、騒音をともなう作業も多い気がします。

一方で、キリスト教なので、日曜日は仕事をしない日、という「決まり」があります。祝日や日曜日には、騒音を伴う行為は禁止です。また、平日でもお昼休みは12時から14時まで静かにすること、そして夜20時以降も大きな音を出さないように、と言うことが徹底されています。日本でも早朝や夜は静かに!と気をつけますが、それに加えて、祝祭日やお昼の時間もその対象です。

職人さんが修理や工事を行う場合はその限りではありません。

 

5)洗濯に関する常識

ドイツの洗濯機

色の濃いもので、新品だと色落ちするのは常識。

でも普段から洗濯機に洗濯物を入れるときには、気をつけてください。化繊の白、または色の淡いものは、気をつけないと後で後悔します。そう、本当に色落ちがするのです。

そして、洗濯機にはたくさんのプログラムがあります。洗い方から水(お湯)の温度から。洗剤の種類もたくさんあって、白物用には専用の洗剤があります。汚れ別の下洗いのための洗剤というのもあって、血液による汚れとか、ワインによる汚れ、油汚れ、など汚れの種類に応じた洗剤です。ウールやシルクでも、洗濯機で専用のプログラムや洗剤があります。そして、洗濯機を洗うための洗剤もあるんですよ。

洗濯機は奥が深いです。

 

6) 誕生日の常識

ドイツのレストラン

ドイツ人はお祝い事が大好き。近所の人が集まったりするような、小さなパーティーはしょっちゅう。その中でも面白いのが誕生会です。日本だと子供が祝うイメージですが、ドイツでは、大人でも祝うのが普通です。

参加人数が多い時は、食事は持ち寄り式で行われることもありますし、50歳などの節目の場合は、レストランで豪華に行います。その場合は、主人公であるお誕生日の本人がお金を出す形になるのです。

大きくお祝いしない場合でも、例えば、職場のコーヒータイムのためにケーキやマフィンなどを持っていったりする場合も。

 

7)その他の常識

トイレットペーパー

日本人は、蕎麦を食べるとき、麺をすすって食べるのは、おいしそうで良し、とされます。日本独特の常識があるのと同じように、日本人に分からない、ドイツ人の日常生活の些細なことを見てみましょう。

まず、鼻水をすするのはタブーです。ちょっと鼻をすすっても、日本では気になりませんが、ドイツ人はこれを非常に嫌います。チリ紙で人前でも(ちょっと影の方を向いたりして)鼻をかみます。

ちなみに、ドイツのボックスティッシュ(いわゆるクリネックス)やポケットティッシュは、普通は4層になっていて、使ったチリ紙をズボンのポケットに一旦しまい、何度も使うのが普通です。

トイレットペーパーも4層が主流です(3層もあります)。日本のトイレットペーパーは、シングルかダブルですね。ドイツ人はどうやら、トイレットペーパーを畳んで使用する人が多いようで、薄いと、たくさん重ねて折らないといけないから、と言う理由で厚い作りになっているようです。

また、草履などを引きずる音もタブーです。日本人である私には気付かない音でも、ドイツ人には気になるのだそうです。

(文・写真 吉村美佳)

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