【オーストラリア在住ライター直伝】フリンダース・ピークがヤバい!両側絶壁の細尾根コース(オーストラリアアウトドア部)

フリンダース・ピーク

こんにちは。生きていることだけが取り柄、海外書き人クラブ所属、オーストラリアアウトドア部のユッキーです。今日は、昨日訪れた「フリンダース・ピーク」(Flinders Peak)のハンパない爽快感と究極のヘトヘト感について書いてみます。

この更新をリアルタイムでご覧いただいている方は「えっ、昨日はマウントブレインに行っていなかったっけ?」と鋭いツッコミを入れてくれたかもしれません。はい、ここで書いた通り、行っていました。

で、その記事は……。

マウントブレインハイキングトラック

……駐車場への帰り道のこの写真で締めくくったのですが、このときふと邪な考えが頭に浮かんだんです。それは……。

「ついでだからフリンダース・ピークも登っておこうかな?」

写真の左端が頂上の山です。イプスウィッチ市のパンフレットには「フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック」と載っていて、距離は6キロ、難易度5段階評価では「5」の最難関コース(経験豊富な人以外不可)との表示はあるのですが、標準コースタイムは明記されておらず……。ただ登山サイトによると4時間コースだそうです(ただそのサイトのGPS測定によると歩行距離7キロになっています。標高はスタート地点が130メートルくらい、頂上が680メートルくらいなので、高度差550メートル)。

ちなみに早朝登った「マウント・ブレイン」は標準コースタイム2時間半。……つまりあとから登る気になったフリンダース・ピークのほうがコースタイムが1時間半も長い! これを「ついでだから登っておこう」と考える人間は、完全にどうかしています。きっと「生きていることが取り柄」みたいなタイプです。

出発はちょうど9時ごろです。

スポンサーリンク



 

注意点1 暑い時期にはやめておくべし

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラックの看板

出発してすぐにこんな看板が現れます。

「歩くのは4月から9月の涼しい時期がオススメ」とのこと(北半球でいうと10月から3月に相当)「夏の登山は高温、予期せぬ嵐、それによる濡れてすべりやすい地面などで非常に危険」だそうです。真夏の今、歩くヤツはアホですね。

マウント・ブレイン

左後ろにはさっき登ってきた「マウントブレイン」が見えます。こうみると、「ザ・山型」ですね。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

目指すは正面の頂。このあたりは草原で日差しを遮るものがなくて、つらいです。

 

注意2 不発弾に注意

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラックの看板

低木の森に入っていくとすぐにこんな看板。「不発弾に注意。疑わしきものは触らず、お近くの警察に通報してください」。昔、軍隊の演習場か何かだったのでしょうか(そういえばこのイプスウィッチ市では古すぎて記録が残っていない坑道が結構あって、ふつうの民家に庭に突如直径数メートルの穴が開く……なんてことがときどきニュースになりますね)。

とはいえ登山道を歩いている分にはだいじょうぶだと思います。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

この看板の先から、登山道らしくなります。最初はこんなふつうの登山道ですが……。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

ときどき木々が生えてなくて、直射日光攻撃を受ける場所があります。「夏はやめとけ」というのがよくわかります。

 

注意3 岩場がハンパない

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

そのうち稜線上の岩場になります。横を通る場所もあるのですが、岩々の上をピョンピョンと伝っていくところもあります。最初の警告看板にある通り、確かにこういうところで濡れていたらやだなあ。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

尾根筋なので、左右はこんな感じですし……。「いくらなんでも絶壁すぎだろっ!」という声も聞こえてきそうですが……ここは巨大な外輪山の一角みたいな感じなんですね。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

だけど景色はいいです。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

ルートを示すオレンジの三角印もまあちゃんとつけられているほうだと思います。

フリンダース・ピーク

ときおりラスボス(頂上)が姿を見せます

マウント・ブレイン

左後ろに見えるのが、さきほど登ったマウント・ブレイン。その左後ろに寄り添うのが影……じゃなくてマウントクーガル(Mount Coogal)。「双子山」と名付けたくなりますね。

フリンダース・ピーク

頂上はもう間近。……ウソです、ズームしただけです。ちなみに頂上の設備は携帯電話のアンテナだと思います。

 

注意4 強烈な岩登り

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

コースの最後のほうに、強烈な岩登りが出てきます。写真で見ると分かりづらいですが、角度70度くらいありそう。被写体があるとわかりやすいのですが、今回はぼっち登山なので……。しかも土曜日だというのに、合計4組しか会わなかったし。やっぱり最高気温34度の日は避ける人が多いようです。

けど日本なら絶対に少なくとも鎖場になっていますよね、階段とは言わずとも(ブツクサ、ブツクサ)。「三点支持」の基本は絶対に守りましょう。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

上から見るとこんな感じだったりします。「どうやって降りるんだろう」と今から疑問。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

断崖絶壁。本当なら登山靴のつま先くらいは崖から出すべきなんでしょうが、下が砂利でずるずるで……。ヘタレですみません。

フリンダース・ピーク・ハイキング・トラック

そしてふつうの登山道になり、最後は意外とあっけなく頂上到着です。

 

注意5 頂上が2つある

フリンダース・ピーク

最初に出てくるのが、こんな頂上。たぶん見晴らし台みたいなのがあったけど、壊れてしまってそのままにしているのかな?

フリンダース・ピーク

そしてその先に、もう一つの頂上。で、こっちの頂上は日差しを遮るものが皆無なので、向こうに移動します。

だいたい同じ高さで、どっちが本当の頂上なのかわかりません。表示も見つからなかったし。いずれにせよ、ラスボス感はあまりありません。……だけど途中まで下る道、砂利が多くてかなり滑ります。

フリンダース・ピーク

 

わーい、階段! そういえば一度も階段がなかったなあ。

フリンダース・ピーク

先客がいました。みんなアンテナの管理小屋らしき建物の影で休んでいます。そういえば登ってきたときにすれ違ったのは2組計4人。ここまで会わないと逆にさびしい。

着いたとき「どう?」と訊かれたので、「暑いねえ」と答えたら「ホント、すごく暖かいわよね」と返ってきました。オーストラリア人は猛暑でも「very warm」という言い方をする人が多いです。「hot」と嘆くよりもポジティブかもしれませんが、モノには限度ってものが……。最高気温34度の予想だぞ。

フリンダース・ピーク

アンテナの管理小屋の一つ。「誰かが魔法をかけて、炭酸飲料やスポーツドリンクを売る山小屋に変えてくれないかなあ」と思わずにはいられない暑さ。そういえばオーストラリアって山小屋ないんですよね。それだけ日本に比べて登山者が少ないからでしょうけど。

フリンダース・ピークから見たマウント・ブレイン

その小屋があるので360度というわけにはいきませんが、やはり景色は最高! マウント・ブレインを見えます。そして……。

フリンダース・ピーク

この写真のちょうど目線くらいの高さ、右端のほうと、中央やや左寄りにヤバそうな物体が映り込んでいたんですが……ただの虫ですよね。気にしない、気にしない。

フリンダース・ピーク

最後の頂上から先ほどの頂上を撮るとこんな感じ。まっ平らでUFOが着陸しそうです。

 

注意6 下りのほうが大変

帰りは来た道を戻るだけなのですが……登山の常で、登りのほうが時間はかかりますが、下りのほうが注意が必要です。特に稜線の岩の上を歩くところは下りのほうが勢いがつき、また脚がヘロヘロになっている分だけ怖いですね。

注意7 水は大量に

車に大量に水を積んできて、フリンダース・ピークに登り始める前、750mlくらい入るウォーターボトル2本をいっぱいにしたのですが……最後は空になりました。

オーストラリア人はこのくらいの時間のコースでも何も持たず登る人がいて、今回も最初にすれ違った若いおにいちゃん二人組は手ぶらだったのですが……やっぱり水くらいは持ち歩きましょう。

所要時間は頂上での休憩抜きで3時間10分でした。暑いし、写真もそれなりに撮ったわりには、かなり速かったですね。本日の感想は……「夏山は早朝に限る」です。さすがにここ、夜間登山は無理だろうし。

しかし真夏に合計5時間40分の低山はさすがにバテますね。

【文:海外書き人クラブ ユッキー】

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)



スポンサーリンク




スポンサーリンク






にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

竹内雄紀最新作『僕の親友はスカートをはいている』

今話題の「人格入れ替わりもの」の中でも最高傑作といわれた『オセロ●○』(ハルキ文庫)のスピンオフ作品が、BOOK☆WALKERで独占先行発売! クラス一乱暴で、学年一口が汚い僕の親友は、なんと学校一の美少女らしい!?友情と恋のはざまで悶絶する青春ラブストーリー!

僕は国立大学の附属中学に通う中学二年生。入学当時からの親友は、口が悪く、尾てい骨まわし蹴りが得意なドラこと龍田川美麗。男勝りの女子だ。僕には理解できないけれど附属中学を代表する美少女らしく、学校中の男子と下級生の女子からしょっちゅうラブレターをもらっている。
そんなドラがある日の帰り道、突然、腕を組んできた! かと思ったら、ドラと「ミス附属」の座を競うと言われている一年生の北里理恵が、僕に急接近!? ずっと親友だと思っていたドラとの関係は、これからどうなってしまうのだろう。まっすぐな青春ラブストーリー!
「笑いと胸キュンの作家」竹内雄紀の初の電子書籍限定本。『悠木ジョシは神かもしれない』と同時に、BOOK☆WALKERで独占先行発売!

ご購入または試し読みはこちらから

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*