旅行や新生活の場所として外国を訪れる際、欠かせないのが街歩き。歩けば歩くほど現地にとけこみ、楽しさが倍増しますよね。でも中国には、日本とは異なる”ルール”があり、要注意なことも。
そこで海外書き人クラブ新会員、中国広東省広州在住の上沢聡子が街歩きの心得をお伝えいたします。
まずは、基本の3点から。海外ではよくあることかもしれませんね。
スポンサーリンク
1 車は右側通行。中国人と息をあわせて横断しよう
日本と大きく異なる点です。横断歩道を渡るときにどちらの方向を見るべきか戸惑いますが、そのうち慣れます。
対面通行の道路を渡るときは、まず左側から車が来ることを覚えておきましょう。
信号はもとより、横断歩道が少ないため、何もない道路を渡るときも多いです。そんなときは、その場にいる中国人たちの右側に立ち、彼らが動き出すのと同時に自分も歩き出すようにするとタイミングよく渡れると思います。
2 歩道に穴が開いていることもしばしば
海外の歩道は日本ほど整備されていません。
中国の場合は、タイル舗装が多いのですがこれがよく割れるんです。割れたタイルが外れ、歩道に開いた穴に足をとられることがあります。
他にも、排水溝・マンホールの隙間などが大きい場所も多く、ヒールの靴では心もとないです。街歩きにふさわしい靴を選び、歩きスマホやよそ見をして穴にはまらないように気をつけましょう。
3 雨の日は滑りまくる、晴れていてもなぜかびちょびちょ
雨の日、タイル貼りの歩道や、大きな建物の軒下通行はつるつるとよく滑ります。転んで打撲、なかには骨折してしまった、という日本人たちが結構いるんです。
晴れの日も、クーラーの冷却水が漏れて路面が濡れたり、いきなり歩道洗浄されてびちょびちょになっている場所をよく見かけます。
くれぐれも甘く見ず、このような場所には近づかないようにしましょう。
次は応用編の2点です。今の中国を象徴しており興味深いです。
4 散水車や道路掃除の車が恐ろしいので、逃げたほうがよい
「城市管理」と書かれた散水車が、てっぺんから水をまき散らして道路を走る光景をよく目にします。多いときには同じ道路を一日数回往復します。この水は霧となって、車の前後左右広範囲に散ります。
もしこの車を目にしたら、近くのお店に入って避難する、または走って逃げることをお勧めします。中国では浄水ではない水を浴びたり、吸い込むことはおすすめできません。車が去ってからも2~3分は待機しましょう。中国人も同じように避けています。
実は、打ち水のように路面を冷やしたり、空気をきれいにするために水を撒くらしいです。しかし、冬の日も、雨の日も、空気がきれいな日も出動しており、いまいち運航ルールが分かりません。
一説には、大気汚染指数の基準点となる某国大使館・領事館の周囲をぐるぐるまわり、指数を下げているという噂もあり、謎が深まるばかりです。
なお、箒をモーターで回転させながら走る車も頻繁に走っており、やたらほこりを舞い上げるため、見かけたら逃げたほうがよいでしょう。
5 電動自転車が最強すぎて、危険
ここでいう電動自転車とは、ペダルをこぐ必要のない電動自転車であり、バイク並みの速度と小回りがきくものです。
伝統的に中国には、外食と出前が根付いています。現在、宅配や出前にこの電動自転車が使われることから、常に相当な台数が走っています。
彼らは時間内に届けるという責務を負っているため、1分1秒を争います。当然、信号は無視、車や歩行者の間に割り込み、逆方向から路肩を走ります。横断歩道でも、停まりません。2017年上半期だけで、上海では76人の配達員が死亡・負傷したと報じられています。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56782内、環球時報より)
ここまで説明すればお分かりかと思いますが、自由に動き回る電動自転車は車より危険です。スマホを見ながら運転する配達員もいるため、接触しないよう皆さんがご自身の安全に気を配ってください。
まとめ
今回の記事は、中国の街歩きで注意すべき点をとりあげたため、面倒な印象を与えてしまったかもしれませんね。確かに、日本とは異なる緊張感が必要です。
しかし、歩くだけの価値はあります。特に広州は第三の都市としてにぎやかで、「食在広州」の言い伝えどおり美食の街。飲茶はどの店もレベルが高く、そのわりにお安いので私も足しげく通っています。
また、ITを使ったサービスもかなり進んでいます。記事でも触れましたが、中国ではスマホひとつで、出前、宅配、タクシーがすぐに利用できます。
さらに、シェア自転車、レンタカーですらスマホをかざすだけでOK。皆さんがその気になれば、様々な手段で街歩きを楽しめます。同じくキャッシュレスも進んでおり、生活のすみずみまでITが普及しています。
皆さんも、街歩きをとおして、美味しいものを食べながら、中国の「今」を体験してみませんか?「中国人目線で、街歩きをしてみたい」と面白がっていただければ嬉しいです。
(文と写真 上沢聡子)
【関連記事】
公道がマリオカート状態なのはこの国も→「オーストラリアのハイウェイドライブ 4つの注意点」
スポンサーリンク
スポンサーリンク
にほんブログ村