【ライター講座】必見! 「執筆前の心構え」3つのポイント

「海外ライターのための執筆前の心構え」の文字

3回に分けて「推敲術」を記したので、ついでに「執筆前の心構え」についても記しておくことにしました。「推敲術」の中で何度か「最初は勢いに任せて書いてもいい」と書きましたが、今回「執筆前の心構え」だけはきちんと押さえてください。ここを外してしまうと方向性そのものが間違っていることになるので、あとでどんなに推敲しても無駄になります。

鉄鋼石をいくら磨いてもダイヤモンドとして輝くことはありません。

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こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。

ポイント1 「誰が読者か」を考えて書く

かつて私が外資系の広告代理店でコピーライターをしていたとき、先輩たちからよく言われたことに「ハウ・トゥ・セイ(どう書くか)を考える前にホワット・トゥ・セイ(何を書くか)を熟考せよ」ということでした。別の言い方をすると、「表現を考える前に訴求ポイントをクリアにせよ」ということです。

文章を凝る前に、まず何を書くべきか決める。これは今でも正しいと思います。

ただし「ホワット・トゥ・セイ(何を書くか)」や「ハウ・トゥ・セイ(どう書くか)」の前に、はっきりさせてかなければいけないもう一つ大切なことがあるのです。

 

それは「フーム・トゥ・セイ(誰に書くか)です。

誰に読んで貰う必要もない日記または忘備録のようなブログであれば、これは気にする必要はありません。でもあなたが誰かに読んでもらいたいと思っているのではあれば、その誰かをクリアにする必要があります。

広告だと「ターゲットプロファイル」、コンテンツマーケティングの世界だと「ペルソナ」といって、読者のプロフィールを仮に設定します。性別、何歳、学歴。どんな仕事をしていて、何年前にそれを始めて、現状にどう満足しているのかまたは不満を持っているのか。ひとり暮らしなのか、誰かと暮らしているのか。恋人はいるのか、結婚しているのか。恋人がいるとしてもいないとしてもいつからか。配偶者や子どもがいるとしたら何歳で、性別はどちらか。趣味は何で、可処分所得がどれくらいあるのか。そういうことを仮設定することで、広告やコンテンツ(記事)が書きやすくなるという手法です。

そんなに細かい「ペルソナ」の設定などできないという人もいるでしょう。そういう場合でも少なくとも「ターゲットとする読者層」は頭の中でクリアにしておいてください。

 

なぜこの作業が必要なのかというと、ここを怠ると「読者に届かない文章」になるからです。

たとえばあるレストランの紹介記事でも、一般の消費者向けに書くのと飲食店経営者をターゲットにするのとでは、書くべき内容が違ってきます。両者では興味のある分野が違うからです。

一般の読者にとっては「どんな料理があって」「おいしいのか。そしてどういうおいしさか」「店や店員の雰囲気はどうで」「料金やコスパは?」といったあたりが欲しい情報です。

一方、飲食店経営者は「どんな集客努力をしているのか」「原価率や収益率」「どういうコンセプトの店か」「どういうところに人気の秘密があるのか」「どういう企業努力をしているのか」も読みたいでしょう。「仕入れ方法」や「店員のオペレーション上の工夫」などにも興味を持つかもしれません。

また「最近の若者の言葉づかい」に関して書くとして、読者ターゲットが年配の人であれば「乱れていてけしからん」という論調でいいのかもしれませんが、若い人たちに対してなら頭ごなしに自説を主張するだけでは「何様?」と反発を招くだけですよね。

読者は誰か。これはプロと呼ばれる人でも忘れがちなチェックポイントなので、文章を書くときには常に肝に銘じるようしてください。

 

ポイント2 どんな情報を求めているのか」を理解する

たとえば一般の読者にレストランやカフェを紹介するのに、内装とか雰囲気とか立地とか店の分類(たとえば「ステーキハウス」とか「シーフードレストラン」とか「伝統的なカフェ」とか「ブックカフェ」とかだけを伝えても」)だけを伝えても、不充分です。

「おすすめメニューは何で、値段はいくらで、どんなおいしさなのか」まで記されていると、「おおっ、今度行ってそれを食べてみたい」と思ってもらえます。つまりあなたは読者の心を動かしたのです。

読者の心を動かせたのは、あなたが彼らの求める情報を伝えたからです。

ポイント3 自慢話は避ける(ヒーローはあなたじゃない!)

他人の自慢話を「聞いて」喜ぶ人はあまりいませんよね。同様に「読んで」喜ぶ人もほとんどいません。教祖様やカリスマブロガーの信者、アイドルの熱狂的ファンくらいだと思います。

だからあなたが教祖やカリスマブロガーやアイドルでなかったとしたら、文章でも自慢話は避けたほうが得策です。炎上でアクセス数を稼ぎたいというのなら話は別ですが。

 

自慢よりもむしろ自虐的書いたほうが、読者は共感してくれます。とはいえ自虐的すぎると、逆に読むのが疲れてきたりしんどくなってきたりします。ポイントは「ユーモラスに感じられる範囲で」自虐的にするといいでしょう。

どこでバランスをとったらいいのか難しい。そう感じるのであれば、見方を変えて、こんな心構えで文章を書くようにしてください。それは……。

 

「文章は私のために書くのではなく。読者のために書くのだ」

別の言い方をすれば、「ヒーローは私じゃない。読者だ」ということです。

 

自分がスポットライトを浴びることよりも、見る人を楽しませることを優先する。それがいいエンタホテイナーです。同様に自分が目立つことよりも、読者の役に立ち喜ばせることを目指す。それが優れたライターです。

【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)

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