【海外在住ライター直伝】世界11ヵ国の郵便事情

タイの郵便ポスト

郵便が届くのはあたりまえの国、日本。でも誤配が当たり前どころか、郵便制度がなくなってしまっている国も世の中にあるのです。

こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。

日本だと「配達すべき年賀状を破棄した」なんていう話がニュースになりますが……。まずは「誤配は日常茶飯事」という国々から見てみましょう。

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1 フィリピン

国際EMSが発達していて、日本からの郵便もマニラの中央郵便局まではやすやすと届きますが、そこから先が問題。配達員にバイクが支給されていないので、(自前の)自転車か徒歩になるので時間がかかります。私の家の近所の担当は徒歩で、いつも暑さの中ヘロヘロになって歩いているので、配達事情は推して知るべし。そこから更に地方へと考えた場合、どうなるかは想像が容易。どうしても地方に郵便物を送りたい場合は、Fedexなどの宅配業者で、しかも支店止にして、そこまで取りに行くのが無難ですね。

(Okada M. A.)

 

2 インド

インドの郵便ポスト

近所のポストですが、こんなポストなら着くの?と心配になりそうです

ポストに投函しても99%届きません。新しい切手を盗むが狙いなのでしょうか? 必ず郵便局へ持っていき、そこでも切手に消印を押してくれたかを確認するまでは信用できません。ホテルで出した絵葉書も5枚のうち1枚だけ届いたことがあり、がっかりしました。また切手料金もホテルでさえまちまちで、高くなったりやすくなったりと翻弄させられます。ガイドブックの値段を見せても、自分たちは外国人の客を相手にしているからそんな本よりも信用できますと言い、5つ星だからまあいいか?とフロントの人が言うのだからと折れて、安い金額の切手代金で出させられたということもあります。もちろんつきませんでした。

(パッハー眞理)

 

3 イギリス

日本に比べると、届かないケースが多いです…。アマゾン等はちゃんと届きます。ですが他の会社は、大企業でもいまにも壊れそうなボロボロの箱で送ってくることもあってびっくりします。また郵便会社のスタッフも適当な人は本当に適当で、以前ハウスメイトの荷物が「庭に投げ入れられて」いて、それを悪びれもなく「庭に入れといたから」と言われたという話も聞きました…。

また私の経験ですが、不在なのに不在票を残さずにスタッフが荷物を持ち帰ってしまい、配達されたこと自体を知らなかったということもありました。イギリスの郵便は「当たり外れが激しい」です。

(塚田沙羅)

 

4 オーストラリア

私自身は私書箱を借りていて、ほとんどの郵便はオーストラリア国内からも海外からもそっちに送ってもらうようにしているのですが、自宅のポストに入っている他の住所宛ての郵便の量からすると「誤配」の量はかなりのものだと推測されます。

また日本との間の郵便事情に大きな差が。オーストラリアから日本への普通郵便でもだいたい5~7日もあれば着きますが、逆の場合は7~10日かかることがほとんど。場合によっては1ヵ月ほどさまよっていることもありますし、私書箱宛てに送ってもらったのに結局未着ということもあります。

(柳沢有紀夫)

 

5 マレーシア

マレーシアの郵便ポスト

はがきや封書はほぼ問題なく届くようですが、集合住宅などでは誤配もわりとあります。特に小包でときどきトラブルが起きるようで、在宅なのに不在通知を入れられて郵便局に取り行かなければならなくなったり、不在通知そのものが誤配されたために、保管期間内に受け取れなかったという話を聞いたことがあります。

日本郵便は、東京からはがきを投函した場合、マレーシアにはおよそ6日で届くと案内していますが、当地で郵便物が多い中国正月やクリスマス、休暇シーズンのハリラヤ(断食明け)などの時期は、もっと時間がかかるだろうと思います。

(森 純)

 

基本的にはちゃんと届くという国もあります。

 

6 オーストリア

一応、ほとんどのものはちゃんと届きます。航空便の場合、日本からウィーンは早くて3日、ウィーンから日本だと5日~1週間ほどで届く場合が多そうです。船便は6~8週間。行方不明になったり、なかなか届かなかったりする場合もありますが、そういう事態が起こるのはほとんどオーストリア国内です。またオーストリアとオーストラリアの国名が似ていて、オーストラリアの方が世界的に知られていることもあり、宛先の最後に国名を書くときにAustriaだけだとAustlariaに行ってしまうことも多々あり! 実際に私の父が船便で荷物を送ってくれた時も日本からシドニーに届いてしまい、そこからフランクフルトに船で送られ、そこから陸路ウィーンまで数か月旅して届いた荷物もありました。間違いを防ぐには宛先の国名のところを「Austria/Europe」とするとちゃんと届きます。

また小包などでも時間指定の配達などはできず、不在の場合は再配達もしてくれません。不在票に指定された最寄りの郵便局などにID(運転免許証やパスポートなどの身分証明書)を持って取りに行くしかありません。在宅していたのに不在票が入っている!なんてこともあったりします。そしてクリスマス時期にはクリスマスカードを送り合うため、国内でも1週間から1か月かかる事もあるなど状況は悪化します。

(バレンタ愛)

 

7 香港

郵便は日本まで4日くらいで届きます。

レジスターメール(書留)と普通郵便があり、郵送料は安いです。香港内30gまで$1.70(25円)、日本へは20gまで$3.70(53円)。

不在の場合は不在通知を持って、最寄りの郵便局に取りに行きます。その際身分証明書を提示して本人確認をします。

ちなみに検疫の理由で、香港から日本へ「月餅」を送ることはできません。

(りんみゆき)

 

8 タイ

タイの郵便ポスト

はがきや一般的な封書は、だいたい問題なく届くようです。日本郵便によれば、東京からはがきを投函した場合、タイに届くのは5日ぐらいが目安ということですが、都市部を離れるとさらにかかります。下の写真は、タイから出した船便小包。無事に受け取れましたが、届いたときには角が丸くなっていました。

タイの小包

ところでタイは、記念切手が美しいことで知られています。郵便局のほか、ショッピングセンターなどに切手やはがきを扱うコーナーがあるので、旅先からの便りが気軽に出せます。

(森 純)

e)添付写真 船便小包_タイ、郵便ポスト_タイ

 

前回の【水道水事情】は全滅に近かったアジアの国々ですが、郵便事情のほうは国によってまちまちみたいですね。

一方でそして世の中には郵便物を届けるのを、端から放棄している国もあるんです。

 

9 グアテマラ

昨年8月に、それまで郵便事業を受託していた会社が「これ以上続けられない」と廃業し、郵便事業が通信省に返還された途端、送れないのみならず、受け取れない郵便局となってしまい、ただ今とても困っています。

海外から送られてきた荷物は運が良ければ仕分けされて郵便局に保管されるので、窓口まで行けば受け取れるのですが、仕分けされないまま倉庫に山積みになっている荷物も多々。そんなグアテマラなので、日本郵便は先日「グアテマラ宛郵便の引き受け停止」をアナウンスしています。

なくなってわかる、郵便のありがたさ。なんとか復活して欲しいのですが、全然そんな気配が見えないのですよね。嗚呼。

(草野あずき)

 

同じく放棄しているように見えるけど、なかなか優れているのがこの国です。


10 カンボジア

日本発送シェムリアップ着の普通郵便は首都プノンペン経由にて、4日~7日間程で届きますが、各家庭への配布はされず、郵便局に設置されている仕分けボックス内に無造作に積まれています。そこから自分宛の手紙を探して各自で持ち帰る仕組みです。小包の場合は、記載されている電話番号に着荷の連絡が来ます。受け取りの際は重さに応じて「荷物預かり料」を支払います。(例;1~5キロ5000リエル(約1,25ドル))各家庭への配布をしないのは、住所が実用的で無い為です。極端な話で言えば、小包は「名前、シェムリアップ、カンボジア、電話番号」さえ記載されていれば、郵便局までは届くので、必然手元までも届くことになります。

青山直子

 

変に届けようとするから届かない。だったら最初から届けなけりゃいいじゃないか。……ある意味で素晴らしい逆転の発想ですね。ちなみにこの「郵便局留め」という方法、日本でも使えるようです(日本郵便のサイト内の「郵便局留・郵便私書箱」のページ参照。https://www.post.japanpost.jp/service/sisho/)。近くに郵便局があって、営業時間内に取りに行けるのであれば、便利かもしれません。

そして奇妙な「郵便システム(?)」があるのが、この国。

 

 11 タヒチ

郵便はちゃんと届きますが、タヒチ人は不思議と人に預けますね……。タヒチから、日本までは、大体一週間以内に届きます。日本からタヒチですと、10日前後かかります。小包だと、日本宛で2週間、タヒチ宛ですと4週間前後掛かります。

(浜口幸喜)

 

ひとことツッコミを入れさせていただきましょう。「飛脚に託した江戸時代かよっ!」

以上、世界11ヵ国の郵便事情でした。

 

※「世界各国のインフラ事情」シリーズは下記の通りです。

 

【構成・柳沢有紀夫】

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)



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コメント

  1. ラブリー より:

    FB友達のサウジアラビア在住の ヌーラに誕生日プレゼントを送りました。
    彼女に聞くと 住所に番地はないとのこと。郵便番号も。
    日本から EMSで送りました。千葉から サウジのマッカまで 小包 三千円くらいで 10日ほどで 無事着きました。
    女性の顔が書いてある扇子、女性の絵の切手も無傷でした。
    イスラムの国なので 心配しましたが、大丈夫でした。
    小包を送ったのは 今年、平成30年 6月です。

    1. Yukio Yanagisawa より:

      ラブリー様
      コメント、ありがとうございます。
      番地もなければ郵便番号もない!
      なぜか吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」を思い出しました。
      人口が少ないのですかね。また郵便局留め置きとか。

      ヌーラさんは現地の方ですか?
      もしも日本人で書くことに興味がおありなら、ぜひ海外書き人クラブにお誘いしたいのですが……。

      これからも「世界のコトなら」をよろしくお願いします。

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