【死語辞典】(70年代「サ行」の死語まとめ)

海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』。「1970年代」に流行った死語とは? そのうち「サ行」から始まるものの意味と用例・用法をまとめました。

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サック

コンドームのこと。用例は「あっ、やべえ。サック、持ってねえ」とか。

昔は「サックを持つのは男の身だしなみ」みたいに言われていたけど、よくよく考えれば、ただの発情魔だろ! 色情狂だろ! あっ、「発情魔」とか「色情狂」も死語かもしれないね。

【類義語】 帽子 コンドーさん

サテン

「喫茶店」の省略形。ちなみにサテンで飲めるのは、「ヒーコ」(コーヒー)や「レーコ」(アイスティー。「アイスコーヒー」→「冷たいコーヒー」→「冷コー」→「レーコ」という変化だと思われる)、「アイミティー」(アイスミルクティー)など。

サテンが死語となったのは、2000年代に入ってシアトル系のカフェ文化が全盛になった……こととはまったく関係ないと思う。

「ざまあ味噌漬け、たくわんポリポリ」

「ざまあみろ」をひじょーに長くした言葉。最初は「ざまあ味噌」だけだったのが、「ざまあ味噌漬け」経由で少しずつ伸びて、とうとうこんな「過剰包装」みたいなフレーズになっちゃったんだね。「環境破壊だ!」と、シーシェパードの次のターゲットにならないか心配……する必要は全然ないね、なんたって死語だから。

ふと思ったんだけど、私がガキンチョのころはここまでの長さだったけど、今はもしかしたら「寿限無」のようにものすごく長いものになって、どこかで生き残っているかもしれない。でもそうだとしたら、「世界一ツメの長い人」くらい意味不明だけど。

「死刑!」

山上たつひこさんの名作ギャグ漫画『がきデカ』の主人公である小学生警察官の「こまわり君」が連発していたフレーズ。両膝を左側に曲げながら、人差し指だけを伸ばした両手を左方向に向ける。

小学生で警察官である点や、裁判官でなく警察官なのに死刑判決を下す点も含め、こまわり君、かなりこまりもの君だった。

当時は無茶苦茶流行ったが、「死刑があるのは野蛮国」という国際人権団体からの圧力で、抹殺されちゃったんだと思う。

ジコチュー

「自己中心的」または「自己中心的な人」

用法は「あんたの考え方って、いっつもジコチュー」とか、「アイツはもともとジコチューだから」とか。

もしかしたらまだ使われることがあるかもしれないが、それでも最近あまり見かけなくなった言葉。理由はたぶん、ジコチューが世の中の中心になったからじゃないかな。

どうでもいいけど、「セカチュー」じゃなくて「ジコチュー」で愛を叫ぶのはやめようね。……ストーカー扱いされちゃうから。

シッタカ

「知ったかぶり」の略。言ったことが事実と異なる場合はもちろんだが、合っている場合でも「偉そうに知識をひけらかした」というカドで非難されることがあった。そういう意味では、このあと紹介する「シ~ラケ~っ」と同様、「シッタカ」も「言われるのではないか」という恐怖心から「自己主張の苦手な日本人」をつくる元になった。

……という解説は明らかに「シッタカ」だね。日本にはもともと「出る杭は打たれる」という体質があったから、「シ~ラケ~っ」も「シッタカ」も流行ったのだろうね。

用法は「何、シッタカしてんだよ!」とか。

しっぺ

利き手でないほうの手で、誰かの手を掴み、利き手の親指と薬指と小指は曲げ、伸ばした人差し指と中指で、相手の手首を叩くこと。罰ゲームで使われた。

語源は座禅を組んでいる者が眠ったり動いたりしたときに、「渇ッ!」と肩をたたく板を「しっぺい」と呼ぶことかららしい。「しっぺ返し」という言葉はまだ死語ではない。

シ~ラケ~っ

学校でちょっとでもつまらないギャグ(主にダジャレ)を言うと、「黙っとけ」「引っ込んでろ」みたいな意味で、「シ~ラケ~っ」という言葉が飛んだ。語源はもちろん「白ける」。

当時からダジャレは虐げられていたんだね。「ダジャレはギャグの中でも低レベルだ」みたいな感じで。私が大人になってコピーライターという職業に就いてからも、先輩方から口酸っぱく「ダジャレに逃げるな」と口酸っぱく言われた。「でっかいどお。北海道」の眞木準さんは例外だ、と。まあ、成功した人はすべて例外。

でも「オヤジギャグ」って言い方もそうだけど、なんでみんなダジャレを虐げるのかね。英語の歌詞も新聞もダジャレだらけなのにね。

さて「シ~ラケ~っ」はお勉強はできるけどあまりギャグを言えないタイプの人間が、自分の才能のなさを棚に上げて好んでつかった表現だったような気がする。ちなみに私は失敗しようがつまらなかろうがギャグを言おうとする勇気に敬意を表して、この「シ~ラケ~っ」は一度も使ったことがない。スペースインベーダーを一度もやったことがないのと並ぶ「変な自慢」です、はい。

具体的な用法としては、以下のものが挙げられる。授業中のこと。

「先生!」

「ん? なんだ?」

「我々はスポーツマンシップにのっとり……」

このときクラスの誰かから「シ~ラケ~っ」が飛ぶ。

【類義語】 ドッチラケ~っ シ~ン シラ~

シラ~

ワインに使うブドウの品種。なんて書くと、読者のみなさんから「シラ~」の一斉砲火を浴びるだろう。「シラケ~っ」の略。用法も「シ~ラケ~っ」と同じ。

【類義語】 ドッチラケ~っ シ~ン シ~ラケ~っ

シ~ン

誰かが白けたことを言ったとき、「シーン」という擬音を発するのも流行った。「静まりかえっているよ」という意味ね。マンガでもコマの中に「シーン」と書かれたりするけど、それとこれ、どっちが先だったのかな。

用法は「シ~ラケ~っ」と同じ。

【類義語】 ドッチラケ~っ シラ~ シ~ラケ~っ

スカす

「カッコつける」という意味のツッパリ用語

用法は「スカしてんじゃねーよ!」。これはツッパリから優等生への挨拶みたいなもの。関西商人の「もうかりまっか」、その筋の方々の「なんじゃい、われ!」と同じ。

スケ

「女」のこと。特に「ガールフレンド」、漢字ではなくカタカナで書くほうの「カノジョ」のこと。不良言葉。

用法は前者の意味だと「あのスケ、マブいな」。後者だと「オレのスケを、何、じろじろ見てんだよ」とか。

スケバン/スケ番

「すけすけのパンティー」のこと。……なんてことを当時書こうものなら、確実に私はスケバンたちにシメられていただろう。つまりスケバンとは「怖いお姉さん方(女子中学生/高校生)」のこと。「レディース」とも言う。

「スケ」は前項で書いたとおり「女」のこと。「番」は「番長」の略。つまり「スケバン」とは「女番長」が原義だが、組織のトップに立つ人だけでなく不良少女全般をさすようになった。

髪型の基本はアフロとソバージュを足して二で割って爆発させた感じ。アイシャドウやチークは紫が基本

ちなみに「スケバン刑事」というテレビドラマも人気を集めて、計3シリーズ放映された。初代のヒロインが斉藤由貴さん、二代目が南野陽子さん、三代目が浅香唯さん。3部作ともなるとだいたい一人くらいはハズレが出そうなもの(たとえば大林宣彦監督の尾道三部作(*注)における『転校生』の小林聡美さんとか)だが、すべて大当たり。浅香唯さんはなぜ「朝かゆい」とも読める芸名なのかといった疑問がないわけではないが、細かいことをいいだしたらキリがない。

ただ「スケバン」ならぬスケパン刑事」に最も近いところに位置しているのは斉藤由貴さんか。衣装はもちろん『HK 変態仮面』を踏襲だね。

*注 大林宣彦監督が自身の出身地である尾道を舞台にした映画の総称。『転校生』(1982年。尾美としのりさん・小林聡美さん主演)、『時をかける少女』(1983年。原田知世ちゃん♡主演)、『さびしんぼう』(1985年。冨田靖子ちゃん♡主演)。当時の映画少年たちを熱狂させ、大林監督風の甘酸っぱい自主映画を製作することが流行った。ファンが自発的に「3部作」と言っただけで、各作品に関係はない。

ズベ公

不良少女。用法は「あんなズベ公のどこがいいのよ。アタイだって、アタイだって、こんなことできるんだから」。……すみません、妄想の世界に入って。

【関連語】あばずれ

「絶対だな、命賭けるか?」「書けるよ。い~の~ち」

と……と言いながら漢字の「命」の字を書く。子どもって……バカの極みだね。

そののち「絶対だな、命賭けるか? 漢字の『命』じゃねーぞ」という、予防線が張られるようになった。今でいうインフォームド・コンセントだ。……違うね。

ゼロックスする

コピー機でA4サイズとかの紙のコピーをプリンターで取ること(今、「コピーを取る」というとデジタルで複製することと思われる可能性も高いので、細かく書いてみた)。その昔、富士ゼロックスのコピー機が圧倒的シェアを誇っていたから、こう言われるようになったらしい。ちなみに70年代の初頭は、父が会社から「青焼き」のコピーを持って帰っていたなあ。

「ゼロックスする」を使う人は、年配の方を中心に今でもたまに見かける。「ちょっと、これ、ゼロックスして!」とか。そう言われたら、やっぱり「キャノンじゃダメなんですか?」と蓮舫さんっぽくツッコむのが正しいと思う。もちろん「エプソンじゃだめなんですか?」でも可。だけど「ヒューレッド・パッカードじゃだめなんですか?」はちょっと長いね。「ブラジ―じゃだめなんですか?」はプリンターじゃない話をしていると勘違いされそうだから、避けたほうが無難。

【関連語】 エレックさんする チンする

洗濯板

類義語の「ぺちゃぱい」「ナイン」よりも、さらに「貧乳」度が高い状態のこと。トップとアンダーの差がほぼ0センチの人がこれにあたると思われる。

あばら骨が浮き出ている状態がまるで「洗濯板」のようだから、こう呼ばれた。でも極度の拒食症とか栄養失調でない限り、あばらは浮き出ないよね、きっと。

【類義語】 ぺちゃぱい ナイン

○○センパイ!

当時、中学受験のための進学塾のガリバー的存在であった四谷大塚進学教室で流行っていた表現。年長者ではなく同じ学年の友達に対して、「君(くん)」の代わりに用いる

鈴木センパイ、先週のテストの結果良かったみたいですねー」

「いやー、田中センパイ。たまたまですよー」

とか。

一応謙譲の姿勢は示しているけど、どちらかというと慇懃無礼な感じで、頭でっかちな子どもたちらしいこまっしゃくれたフレーズ。

ちなみに私は体がでかかったせいか、中学に入ってから「○○センパイ」から苗字が取れて、「センパイ」がそのままあだ名になってしまった。そう、同級生たちから「センパイ」って呼ばれてたわけ。よって一部の保護者からは「彼はもしかして……留年生?」と疑われたという苦い過去を持つ。

小説家の竹内雄紀が『悠木ジョシは神かもしれない』において、進学塾「アインシュタイン進学会」に通う頭でっかちの小5の少年たちに「小田桐キョージュ」「二川キョージュ」などと呼びあわせているのは、この「○○センパイ」からヒントを得たもの。

ゾク

「暴走族」のこと。集団そのものとその構成員の両方をさす。用法は「中学のときの同級生の鈴木っていただろ? アイツ、今、ゾクになってるらしいよ」。

ゾクがクラクションで♪パパラパラパラパラパラパ~と鳴らすのは、映画『ゴッドファーザー』の主題歌である「ゴッドファーザー 愛のテーマ」。それとゾクはよく「集会」とやらをしていたらしいが、何をしていたのか私にはよくわからない。

それからなぜかゾクは漢字が好きだった。「世露死苦」と書いて「よろしく」とか、「愛死美絵夢」で「ICBM」とか。集会でみんなひらがなが生まれる前の奈良時代に行っていたのかもしれない。

【関連語】ツッパリ/ツッパる

ゾッコン

「ベタ惚れ」「首ったけ」のこと。あっ、「首ったけ」も死語に近いか? 「夢中でほれちゃっている」こと。

用例は「アイツは彼女にゾッコンだからな」。

シブガキ隊の「ぞっこんラブ」という曲があった。ジャニーズは、こういう古っぽい言葉を持ち出すのが得意だね。

 

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※ このページのいちばん下に【『死語辞典』のチョベリグな使い方】を記しました。そちらもぜひご覧ください。

 

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『死語辞典』のチョベリグな使い方

 

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3) 画面右側の「検索機能(虫眼鏡マーク)」に知りたい死語を打ち込むと、バッチグーな答えが得られます。

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