「海外書き人クラブ」のヴィジョンとルール
これは、「海外書き人クラブ」お世話係である柳沢有紀夫からの、会員および入会を検討している方へのお知らせです。柳沢はこの会の呼びかけ人であり、世間一般で言う代表ですが、あまり偉そうな肩書きをつけたくないので、「お世話係」と名乗っています。「海外書き人クラブ」が成長し、今よりももっと鮮やかな花を咲かせることを夢見ています。
1)「海外書き人クラブ」はどうやって生まれたか?
私がオーストラリアでライターを始めて、数ヶ月経ったころ。「同業者といろいろ話がしたいなあ」と思うようになりました。というのは、メールでやりとりする相手はいつも編集の方々、つまりお得意先。たまには同じ立場の人たちと、情報交換できたらいいなと考えていました。
そして、あるとき、閃きました。「一緒に力を合わせて、今まで枠がなかった雑誌にリレー連載や特集などを提案できる。同じパイを食い合うライバルではなく、協力して新しいパイをつくりだす仲間になることができる。利益を共有すれば仲間になれる」と。
「単発の記事」を売り込もうとしても、なかなか採用していただけません。でも「リレー連載」の場合は、一年なら一年の枠が計算できるようになるから、編集の方にも採用していただきやすいはずです。一カ国だけでは記事になりにくい場合も、「世界の○○事情」という特集にすれば、読み応えのあるものになります。
こうして、「仕事をつくりながら、交流を深めようよ」という私の呼びかけに賛同してくれた人々が集まって、「海外書き人クラブ」が生まれました。2000年5月のことです。
しばらくは一生懸命営業活動をしても、なかなか仕事に結びつきませんでした。共通の利益である「仕事」がないと、「交流」のほうもしづらいものです。数ヶ月は、会のメーリングリストに、誰も何も書き込まない日々が続きました。でもその後、2001年4月から、ある月刊誌でリレー連載をすることが決まったころから、交流も活発になりました。
これが「海外書き人クラブ」の生い立ちです。「ライバルも仲間になれる」。こういった理念に賛同していただける方々に集まっていただければと願っています。
2)入会資格に関して
「海外書き人クラブ」は、海外在住のプロのライターを中心にした集まりです。アマチュアでも、「将来プロになる意気込みのある人」は歓迎します。ただ、仕事に対する責任は、当然プロ同様に持っていただきます。また海外在住のカメラマン、日本国内在住でも海外に興味があるライターやカメラマンも歓迎します(実際に海外在住カメラマンでリレー連載する仕事もあります)。
「同好会」的な気持ちで加入されて、いい加減な仕事をされると会全体に迷惑がかかることになります。「締め切りを守る」「仕事の途中で行方不明にならない」「得意先から指示されたことに従う」など、社会人としての責任感のある方だけ、お申し込みいただきたいと思います。
また、申し込まれた方すべてが入会できるわけではないことをご了承ください。
入会金および年会費の類はありません。ただし、メンバー同士で仕事をした場合は、金銭のやりとりが発生いたします。詳しくは、以下の3)4)5)をご覧ください。
3)企画立案と「プロジェクト・リーダー」制に関して
「海外書き人クラブ」はみんなで力を合わせて仕事をつくる会です。でも、仕事をつくるのは「お世話係」だけの役目ではありません。個人の会員が企画を立て、出版社などに売り込むことは大大大歓迎です! それが書き人クラブの醍醐味です。
企画が通った際には、企画立案者が「プロジェクト・リーダー」としてその仕事を運営していきます(これを「いいだしっぺがリーダーシップ」と呼んでいます)。「プロジェクト・リーダー」はその企画と運営の総責任者です。
「プロジェクト・リーダー」は、会社における部長や課長のような、固定した役職ではありません。Aという仕事でプロジェクト・リーダーをした人も、別の人がプロジェクト・リーダーをしているBという仕事に参加した場合は、一執筆者になります。これは「お世話係」が、あるプロジェクトに参加する場合でも同様です。
海外書き人クラブは「レゴ型組織」です。「プラモデル型組織」である企業では、プラモデルの船の船長室は常に船長室で、船底は常に船底であるように、ある時点では社長は常に社長、従業員は常に従業員です。役割が常に決まっています。でも「レゴ型組織」である海外書き人クラブでは、レゴの一つのパーツがそうであるように、一人の個人が、あるプロジェクトではリーダーになり、別のプロジェクトでは一ライターになります。フレキシブルな面白さがあると考えています。
「プロジェクト・リーダー」は、自らの取り分と執筆者のギャランティーを、出版社や編集プロダクションと交渉して決めます。「企画」「営業」「連載の運営・統括」などを行うプロジェクト・リーダーの取り分は、総ギャランティーの30~40%を一応の「目安」とします。ただ、連載の担当編集者によって、プロジェクト・リーダーに求める仕事の量が異なるため、実際の割合は編集者とプロジェクト・リーダーの話し合いによって決定されます。この取り分に関しては、執筆者募集の際に金額を明示することとします。仲間内で無用な金銭的トラブルを避けるためです。
また、プロジェクト・リーダーと執筆者のギャランティーは、極力、出版社や編集プロダクションから直接当人たちに支払っていただけるようお願いしたほうが、いいと思います。これも金銭トラブルを避けるためです。
もちろん「プロジェクト・リーダー」になるかならないかは、各個人の自由です。ただ、「プロジェクト・リーダー」が増えれば増えるほど、つまりプロジェクトが増えれば増えるほど、各メンバーに回ってくる仕事が増えることになります。
4)サイト経由の仕事と「プロデューサー」に関して
「海外書き人クラブ」のサイトをご覧になった編集者の方などから、リレー連載などの仕事の依頼が来ることもあります。これらの仕事は会員の中の「プロデューサー」が、運営の総責任者になります。プロデューサーは立候補いただいた人の中から、「お世話係」が任命することとします(お世話係もプロデューサーの一人です)。
「プロデューサー」の仕事は、多岐に渡ります。編集者からの依頼内容を判断し、場合によっては企画書(募集要項)を書き、ギャランティーを交渉し、ネタをメーリングリストで募集し、集まったネタを見やすいカタチにまとめ直して提出し、編集者からコメントやアドバイスを求められれば伝え、採用が決まったネタを各執筆者に伝える「連絡係」の仕事が、まずあります。それに加え、場合によっては原稿チェックやリライトをお願いされる場合もあります。
「プロデューサー」の最終的な目的は、海外書き人クラブに仕事を発注してくださったクライアントである編集者に満足していただけるクオリティの高い仕事に仕上げることによって、「次の仕事」につなげることです。たとえばリレー連載の場合ならできるだけ長くその仕事が続くことであり、期限付きのリレー連載の場合は「連載延長」を勝ち取ることです。こうすることで、今、執筆している人だけでなく、別の人にも仕事がまわせることになります。
「プロデューサー」のギャランティーは、総ギャランティーの10%が一応の「目安」です。ただ、連載の担当編集者によって、プロデューサーに求める仕事の量が異なるため、実際の割合は編集者とプロデューサーの話し合いによって決定されます。この取り分に関しては、執筆者募集の際に金額を明示することとします。
5)会員同士の仕事の「斡旋」について
会員同士の仕事の紹介の際、「紹介料」をもらうかどうかは当事者同士の事前の話し合いによります。お世話係は一切タッチしません。
6)「海外書き人クラブ」のサイトに関して
「海外書き人クラブ」のサイトには、「会員名簿」のコーナーがあります。この名簿をご覧になった編集者などから会員が直接仕事の依頼を受けた場合は、誰かにコミッションを支払う必要はありません。
7)「海外書き人クラブ」のメーリングリストに関して
「海外書き人クラブ」はメーリングリストを持ちます。これは会員全員が参加するもので、参加費は無料です。
交わされるメールの中身は「お世話係」からの連絡や、執筆者の募集、歓談など多岐にわたります。あらかじめ取捨選択して読むことができるように、メールのタイトルの最初に【 】マークで、そのメールがどういうものに分類されるかクリアにすることをルールとします。分類には以下のものがあります。どこにも入らない場合はご自身で適切な分類をおつくりいただくか、「お世話係」までご相談ください。
【運営】 「お世話係」およびサイト管理人からの連絡です。他の会員はこのマークを使えません。これは、全員必ずご覧ください。
【仕事】 執筆者の募集およびそれに対する返信です。どなたでも使えます。
【歓談】 歓談です。「こういう企画を考えているんだけど、相談に乗って欲しい」といった、まだ具体的に発注する段階に至っていない仕事の卵に関しても、このマークを使ってください。どなたでも使えます。
【お知らせ】 自著の出版やメディアへの出演などのニュースを会員に知らせるときに使います。仲間のがんばりは、奮起につながります。ご活躍はどんどん宣伝してください。どなたでも使えます。
【オフ会】 日本国内だけでなく、世界中でのオフ会の告知に使ってください。どなたでも使えます。
8)その他の活動に関して
「海外書き人クラブ」では仕事を増やしたり、会員同士の親睦を深めたりするために、様々な活動をしています。これらは必ずしも「お世話係」が主導するものではなく、「レゴ型組織」、「いいだしっぺがリーダーシップ」に則り、会員が自発的に行っているものです。
「オフ会」も日本で行われる最大50人規模のものから、世界のどこかの都市で行われる2、3人規模のものまで、数多く行われています。
以上です。
「レゴ型組織」の中で大いに楽しんでください!
