【海外在住ライター直伝】5ヵ国の絶品ランチ(世界の国民食④)

オーストリアのスープ料理

【世界の国民食】シリーズも「朝ごはん」「ファーストフード」「スウィーツ・お菓子」と続いて、第4回は「ランチ」です。……よく考えたら順番的には普通、「スウィーツ・お菓子」よりも「ランチ」が先ですよね。

こんにちは。「デザートはごはんを食べてから」と怒られていたガキンチョ時代から全然成長していない、海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。

今回もまずはヨーロッパのあの国からです。

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1 オーストリア

オーストリアを含むドイツ語圏では夜ご飯はkaltessen (カルトエッセン、意味は冷たい食事)と言って料理せず簡単に済ませる事も多いようです。その為、ランチは大事な食事。家でも外食でも2コースや3コースで食べる事が多く、前菜にはスープが人気です。カフェやレストランではお得なランチメニューがあり、季節の食材を取り入れて夏は冷製スープ、その他の時期は温かいスープが数種類揃っています。

オーストリアのスープ料理

 

メインは主に肉料理。オーストリアを代表する肉料理「シュネッツェル」は本当によく食べられています。茹でた牛肉をソースに付けて食べるターフェルシュピッツや、揚げた玉ねぎが乗っているツィーベルローストブラーテンなどの代表的なオーストリア料理も良くランチに登場します。

ターフェルシュピッツ

 

お肉料理でもヘルシーよりなのがランチにも人気の「バックハンデルサラダ」。名前の通りチキンのフライが乗ったサラダで、ポテトサラダやグリーンサラダと一緒に出てきます。

バックハンデルサラダ

 

お肉大好きなオーストリア人もさすがに毎日食べると良くないと思うのか(笑)・・・本当はカトリックの教えから来ているのですが、金曜日のランチはお肉以外のものと言うことでどこのカフェやレストランのランチメニューも魚かベジタリアンが用意されています。(ランチメニュー以外の単品ではもちろんお肉料理オーダー可能です)あまりお魚を食べないオーストリア人ですが、サーモンは人気で色々な所でも食べられますし、金曜日のメニューにも良く登場します。

お魚料理

近年ではヘルシー思考も高まり、バイオ食品のみ使用のレストラン、ベジタリアンレストランも増え、そして気軽に利用できるテイクアウト可能なデリのお店なども増えてきました。

また外国人が多く住むウィーンでは様々な国のレストランが数多くあります。アジアからは日本、中華、タイ、ベトナム、韓国などあり、他にはイタリア、フランス、スペイン、ギリシャ、クロアチア、インド、トルコなど世界各国のレストランが揃っているのもウィーンの魅力です。

(バレンタ愛)

 

オーストリアではバラエティ豊かなランチが食べられているようですね。

一方、「定番」があるのが中米のグアテマラです。

 

2 グアテマラ

グアテマラ中どこにでもあるのが「カルド」という煮込み料理です。肉と野菜をごろんと煮込んだものですが、「カルド・デ・ポーヨ」は鶏肉のスープ、「カルド・デ・レス」は牛肉のスープ。家庭の味でもあれば、食堂の看板メニューでもあり、郷土料理レストランでも味わえる、ちょうど日本のカレーライスのような存在、と言ったらいいでしょうか。
カルド・デ・ガジーナ

「カルド・デ・ガジーナ」は地鶏のスープ。ここの鶏肉は焼いてありますが、もちろん煮込んだものも有り。肉も野菜もスープに浸して食べると美味しい。レストランはこうやって別々に出てくることが多いですが、食堂だと全部まとめてスープの中です。

 

カキック

先ほどのカルドが基本の煮込み料理で、地域によっては独自のスープのあるところも多いです。代表的なのがベラパス地方に住むケクチ族の「カキック」。雨が多く肌寒いこの地方では、香辛料や唐辛子をベースにしたピリ辛スープ。鶏肉ではなく七面鳥が使われることが多いのも、カキックの特徴です。

 

ペピアン

色はカキックに似ていますが、あまり辛くない濃厚かつ香ばしいスープが「ペピアン」カボチャの種やゴマなどを使ったカクチケル族の伝統料理です。

これ以外にもその土地独自の煮込み料理がいろいろあるのですが、具材はどこへ行ってもほぼ同じなのに、スープ、すなわち味付けがそれぞれに異なるのがグアテマラ風。どれもそれぞれに美味しいのですが、私のお気に入りは「ペピアン」かな。

(草野あずき)

 

同じ「カルド」でも地方食豊か。食べ歩きなんかも楽しそうですね。

次もランチの「定番」といえば「カレー」というこの国。とはいえ、バラエティは豊かです。

 

3 インド

インド南部のカレー

インド人はやはり毎日カレーを食べます。インド南部のカレーはバナナの大きな葉っぱの上にたくさんのカレーの種類と一緒に出されます。これは皿を洗う必要もなくまさにエコ!

 

インド南部のカレー

画像の定食は、その名も「ミールス」。そこにはスープからデザート用のドーナツまでも一緒に盛り付けられて出て来ます。メニューは日替わりで、ベジタリアン用とノンベジタリアン用に分かれています。食べている途中で、店員がどんどんお代わりをよそってくれます。手で混ぜながら色々なバリエーションを楽しんでおしゃべりしながらお腹がいっぱいになるまで食べるというのがまさに幸せに通じるものなのです。そして、インド南部はお米が主食だから日本人向きのようです。

インド南部は北部よりも更に暑い場所柄だからでしょうか、野菜は基本的に短時間スパイスを使って炒めたり、煮立てたりした料理が多いです。同じインドでも北部とは違い、生野菜を食べるという習慣がありません。

また、右手の親指、人差し指、中指を器用に使ってクチュクチュとお米と混ぜ合わせて食べるのが基本です。

 

インド北部のカレー

一方、インド北部はお米の代わりにチャパティという全粒粉から作った薄いクレープのようなパンをカレーにつけて食べます。チャパティが上手に焼けるようになったらいいお嫁さんになったと言われるくらい、北部では重要です。

 

インド北部のカレーと野菜

また、ベジタリアンの人も多いので野菜の種類が豊富で、レンコンやオクラも普通に食卓に出されます。インド南部と異なり北のほうでは、キュウリや紫玉ねぎ、トマトなどの生野菜を食べます。

 

インド北部の食卓

もちろん、ライスも食べますがインドのライスはバスマティライスというものでパラパラです。その上に付け合わせのライターと呼ばれるヨーグルトも上からかけて食べます。

また家庭では最低3種類のカレーを作り、各自が好きなものを好きな分だけお皿にとっていただきます。

(パッハー眞理)

 

4 オーストラリア

オーストラリアは各国からの移民が多いので、ランチのバラエティは豊かです。ただ「ランチ」のあとに「休日」「公園」と連想ゲームが続くと、オーストラリアに住む人ほぼ全員が「バーベキュー」と答えるでしょう。それほどみんな大好きなんですね。なんたって「バーベキュー」を省略して「バービー」って呼ぶくらいですから。

ちょっとした公園では週末天気が良ければこんな光景が広がっいます。

バーベキューしている人たち

しかしオーストラリアに暮らし始めて一年後、サッカー仲間から「打ち上げは公園でバービーパーティーね」と言われたときにはビビッたなあ。大の男が集まってかわいらしい女の子の人形で遊ぶのか、と。気のいいサッカー野郎だと思って半年間つきあっていたチームメートたちは、じつはそういう禁断の趣味を持つ輩たちだったのか、と。

そんな話はどうでもよくて……。

バーベキュー

はい。これがオーストラリア流のバーベキューです。できあがりはこちら。

バーベキュー

とにかく基本はソーセージ。何がなくともソーセージ。肉やベーコンを焼くこともありますが……シーフードは公園バーベキューではあまり見たことがないです。それと日本ではほとんどしないと思いますが、焼きトマトもうまいです。

えっ? 「朝ごはん」編の「ビッグブレックファースト」にそっくりだ? いやいやいや。じゃあ、並べて見てみましょう。ほらっ、全然……。

ビッグブレックファースト

……瓜二つですね。

話は飛んで、こんなランチもあります。

フルーツ盛り合わせ

はい。「フルーツ盛り合わせ」。真っ昼間から「銀座のクラブごっこ」ですか?

ちなみにスーパーなどでも一人分がパックになって売られています。

(柳沢有紀夫)

 

5 フランス

ワインを飲みおしゃべりに花を咲かせながらゆったりと食事をとる人々……。フランスでお昼といえば、優雅な食卓というイメージがありませんか。しかし、そんな光景をここそこで見かけたのも今や昔。このご時勢、いくらフランスでもお昼に2時間も休憩を取れる人など実際のところそうはいません。

では美食家の国の人々はお昼に何を食べているのでしょう。答えはサンドウィッチ。バゲットのサンドウィッチです。

シンプルですが、確かに手っ取り早く、食べやすく、手頃で何と言ってもとても美味しいのです。らしといえばらしいフレンチサンドゥィッチが、フランスの昼時に絶大な人気を誇る人気者です。

中でも、フランス人が好むNo. 1はシンプルの極みとも言えるベーシック、バターとハムサンド。2016年の販売数はなんと12億個。サンドウィッチ販売総数の51%を占めます。フランスのお昼の圧倒的スターです。

ハーフバゲットを半分に割ったものにたっぷりとバターを塗り、それから豪快に、ハムを一枚丸ごと挟み込みます。それだけです。しかし、さすがフランスパンと乳製品とシャークトゥリー(肉加工食品)の国。美味です。この究極のシンプルさが、グルメの国の人々の美食の極意なのかもしれません。

バターたっぷりのバターハムサンド

バターたっぷりのバターハムサンド、うちでも作ってみました。1自分で作ると、費用1ユーロちょっとでしょうか

サンドウィッチの食材

食材を並べてみました。皮はパリパリで中はふわふわのフランスパン、発酵バターとシャークチエ(加工肉専門店)の薄めにスライスしてもらったハム

パン屋さん

スウィーツと飲み物がセットになったランチパッケージに力を入れるチェーン店のパン屋。全国津々浦々多くあります

 

大抵ハズレのないこのバタハムサンド、20162年には2.97%値上がりして全国平均価格が2.93ユーロになったとの調査が報告され、先週は、いろんなメディアで大々的に取り上げられていました。フランス人にとっては一つの経済指数ですからね……。

10ユーロ近くするような高級なもの、野菜を使ったヘルシーなもの、ローストビーフにチキン、またスモークサーモン入り北欧風等々、様々なヴァリエーションがあります。パン屋にサンドウィッチ屋はもちろん、高級ハム店、食材店でも、お昼になるといろんなところでサンドウィッチが売られていますから、仮に、毎日お昼がサンドウィッチだとしても飽きないのも良いですよね。

生ハム入りサンドウィッチ

フランスでも中々口にすることのできないスペインの高級生ハム、イベリコ豚にパッタネグラが薫り高く並ぶ専門店で販売される、リッチでグルメなバタハムサンド

高級シャークチエ入りのサンドウィッチ

高級シャークチエ、中々塊で買うには手が出ないお値段だったりしますが、サンドウイッチならランチ予算内に収まります

フランスにいらっしゃることがあれば、学生さんからエグゼクティブまでみんなが愛するサンドウイッチでグルメ体験、オススメします。

(兒玉ゆきこ)

 

以上、世界5ヵ国の国民的ランチでした。

【構成:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)



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