【死語辞典】(60年代「ハ行」の死語まとめ)

海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』。「1960年代」に流行った死語とは? そのうち「ハ行」から始まるものの意味と用例・用法をまとめました。

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パイオツ

オッパイ」のこと。「ズージャ」な言葉(「ジャズ」をひっくり返して「ズージャ」という、かつてジャズマンとかバンドマンなどが用いた言葉。芸能界やマスコミ界でもよく使わられたのはご存知のとおり)。

用例は「そのデルモのパイオツがこれもんでさあ」とか。「これもん」と言うところでは、両手を胸の前で「C」の字型に動かす。正直言って、そんな形のパイオツだったら、巨大なおできみたいで嫌だな。

ちなみに今の「デルモ」は「ズージャ語」で「モデルのこと」。

【類義語】 ボイン

♪ハイそれまでよ~

ハナ肇とクレージーキャッツの同名の曲(1962年)から。作詞は「スーダラ節」と同じく青島幸男さん。歌詞は一番も二番も三番も、ずっとがんばったのに、一発逆転で大どんでん返しが起きて、最後にひとこと「ハイそれまでよ」のネタ。青島さんと植木さんは自虐ネタの教祖と言えると思う。

用法は「模試ではずっと全国でもトップ10に入っていたのに、本番の入試の日にひどい下痢。♪ハイそれまでよ~」とか。

基本的には「自虐」で使うフレーズだが、ずっといじめられた上司がリストラされたときなどは、餞別の言葉として捧げてやってもいいかもしれないね。「今までお疲れさまでした。でも……♪ハイそれまでよ~」とか。

きっと、すっと、心が軽くなるよ。

パタパタ

はたき」のこと。あっ、「はたき」も死語か? 掃除用品の一種で、50センチほどの棒の先に、布切れがついているもの。それで窓枠の上とか家具の上部などのほこりをはたき落した。今でも先がモップみたいになっているものなど、高性能のものは見かけるが、布切れがついたはたきはとんと見かけなくなった。「サッサ」の登場も影響しているのかな?

用法は「お手伝い? じゃあ、パタパタしてもらおうかしら?」とか。

はっぱふみふみ

パイロット万年筆の5秒CM(!)で、大橋巨泉さんが口にするフレーズ(1969年)。正式には「みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれ、すぎかきつらねはっぱふみふみ」。まあ、「パブロ、ディエーゴ、ホセー、フランシスコ・デ・パウラ、ホアン・ネポムセーノ、マリーア・デ・ロス・レメディオス、クリスピーン、クリスピアーノ、デ・ラ・サンティシマ・トリニダード」って人が一般には「パブロ・ピカソ」と呼ばれているのと……関係ないね。「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」が「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんって呼ばれているのも……関係ないね。

意味は……特になく、ナンセンスな笑い。当時まだ5歳だった私は全文覚えていないが、小学校高学年から高校生くらいだった50年代生まれの人は、いまだに「みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれ、すぎかきつらねはっぱふみふみ」と唱えないと、同窓会の会場に入れてもらえないらしい。あと、フリーメイソンなんかもそうじゃないかな? 自信はないけど。

若い人たちは入社試験の重役面接あたりで、「好きな言葉は?」と聞かれたら、「みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれ、すぎかきつらねはっぱふみふみ」と一発かましてみるのもいいと思う。結果に関しては、はっぱふみふみだけどね。

しかし、こう何度も「みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれ、すぎかきつらねはっぱふみふみ」と繰り返していると普通は覚えるものだけど、全然ダメだね。まあ、コピペしているだけだから。文字を手で書かなくなった弊害……は、まったく関係ないよね。

タモリさんの「ハナモゲラ語」なんかもこれに近いと思う。

バッハハーイ!

サヨナラ」の意味。類義語に「バイナラ」、「バイビー」などがある。PUFFYが使っていた「バイバイビー」もその一つと数えていいと思う。

数ある同義語の中で、少なくとも一番元気があるのは、これ。別れのときに神妙になろうなんて気は毛頭ないんだね、この時代は。たとえばDJが「それでは今日はこの辺で。お相手はチャッピーでした。バッハハーイ!」とか。

若い人たちにお勧めしたい用法は、「今まで本当に楽しかった。あなたと過ごした時間は、私の大切な想い出にする。バッハハーイ!」。……「こんなアホとつきあっていたオレがマヌケだった」と相手に思わせ、まったく後腐れなく別れられるはず。

【類義語】 バイナラ バイビー

半ドン

うどんやラーメンとともに、サラリーマンがランチで食べる「半分サイズの丼物」のことではない。それは「ハーフ丼」ね。

今では会社も学校も、週休二日のところが主流だが、かつて土曜日は午前中だけ働いたり授業を受けたりすることがほとんどだった。その午前中半分で終わることを「半ドン」と呼んだ。なんでわざわざそんな風に呼んだかというと、その前の時代は土曜日も一日中働いていたから。

当時の会社すべてが、今だったら労働基準監督署の査察が入るね。

ピカイチ

たくさんある中でズバ抜けていいもの。「ピカッと光って、一番優れている」という意味だと思われる

たとえば「そういう仕事をやらせたら、アイツはピカイチだよね」。

あと私はかつて勤めていた会社でダジャレのうまい先輩に対して、「そういうくだらないこと言わせたら、センパイ、ピカイチですよね」と絶賛したのに怒られたことがある。

ピーカン/ドッピーカン

晴天のこと。特に冬晴れよりも夏の暑い時期に用いる。さらに天気がいいときは、強調のための「ドッ」をつけて、「ドッピーカン」となる。

今、ぜひ試してもらいたい用法としては、砂漠のど真ん中で遭難中、飲み水もそろそろ尽きようというときに、明るく「いやー、今日もドッピーカンですね」。

びっくりしたなあ、もう

三波伸介さん(初代)が「てんぷくトリオ」時代につくったギャグ。今はそのまま「びっくりした」。

私自身も幼稚園のころに使っていた記憶がある。用いるのは文字通り驚いたときだが、目を必要以上に丸めるのがポイント。

ピーピー

「放送禁止用語、またはそれを口にすること」ではなく、この場合は金欠の意味。お金がないこと。

用例としては「給料前だから今、ピーピーなんですよ」とか、「双子が生まれて、ミルク代からオシメ代まで2倍かかって、もうピーピーです」とか。今でいう「キツキツ」に近いか。

または下痢のこと。「下痢のときおなかがピーピーなるから」と説明してくれた人がいたが、そんな風に鳴るか? 普通下痢したときの音は……具体的に書くと品位を疑われるので自主規制しておくが、「ピーピー」よりももっとブリリアントな音がすると思う。ブリリアントな、ね。

用例としては「かっ、会議中にすみません。今、ちょっとお腹がピーピーで……」。または「おにいちゃん。ワタシ、ウンコ、ビチビチやねん」。……あっ、『火垂るの墓』のセツ子は関係ないか。

長渕剛さんの「ろくなもんじゃねえ」の歌詞の「ピーピー」は金欠と下痢、どっちなんだろう? ……どっちでもないか。

ぺーぺー

初心者、若輩者、新入社員など、とにかく経験の少ない人や状態のこと。「フレッシュ」とか「初々しい」といったいい意味ではなく、ネガティブな文脈で使われる。

語源はまったくのあてずっぽうだが、「ペーパードライバー」の「ペーパー」から来ているのかもしれない。または「平社員」「平役人」の「平」を二回重ねて「平平」と書き、これを「ぺいぺい」と音読みしたものが変化した、とか。

用例としては、「おまえみたいなぺーぺーじゃなく、責任者を出せ!」とか、「おまえみたいなぺーぺーに何がわかる!」とか。こう言われるとだいたいと「ドタマに来る」ね。

若い人には使いにくい言葉に見えるかもしれないけど、「課長。スマホに関して全然ぺーぺーですね」とか、「パワポのプレゼン資料を事前に見せろ? 部長みたいなパソコン・ぺーぺーに見せて何か意味があるんですか?」とか。ただ人間関係を一発で崩壊に導く自爆テロみたいな言葉だから、取り扱いには注意してほしい。

ボンクラ

「バカ」「アホ」「ウドの大木」「昼行燈」「ボーッとしているヤツ」「使い物にならないヤツ」などと似た意味だが、「身も蓋もない度」ではピカイチな表現。

用法は「ウチのボンクラ息子ったら、将来のこと、何も考えないんだから……」とか。または「あそこの社長は二代目のボンクラだから」とか。

若い人にオススメしたい用法は、「キミに魅力がないってことじゃないんだ。ただオレの息子がボンクラで言うこと聞いてくれないんだ」とか。必要のないときに意味もなく自己主張したかと思うと、いざというときボンクラになって……。若いときっていろいろ大変なんだよね。がんばれ、みんな!

でもボンクラの「ボン」の部分をちょっと鼻にかけて発音してみると、フランス語のアニュイな雰囲気が出て……どうでもいいよね。

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『死語辞典』のチョベリグな使い方

 

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3) 画面右側の「検索機能(虫眼鏡マーク)」に知りたい死語を打ち込むと、バッチグーな答えが得られます。

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